〜白薔薇の君〜
拍手連載
テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第18話
あれほど苦手としていた暗い場所にいるアレックスであったが、すく側にいるリチャードの事を意識してしまい、怖いという感情がどこかに消えてなくなってしまっていた。
我ながらゲンキンなヤツだと思う。
進んだ洞窟の先から光が差し込んでいた。出口に辿り着いたようで、かすかに水の音も聞こえる。
『海の匂いがする。』
「あぁ、出口みたいだ。俺が先行して、外に追っ手がいないか確認してくるからアレックスはリチャードとここで待っててくれ」
『うん。…っえぇ!!?』
出口の側でリチャードを止めたアスベルがそういって、ソフィを連れて先に外へ行ってしまった。
『………。』
「………。」
く、くそうアスベルめ。さてはわざとだな。暗い洞窟の中でリチャード様とふ、ふ、二人っきりなんて…。
『……、』
嬉しいけど!!
嬉しいが困る!!!
へ、変に緊張してしまうじゃないか。
一人悶々と悩んでいるとアスベルの呼ぶ声が聞こえ、それにリチャードは洞窟を出ようする。
「アレックス行くよ。段差になってるから気をつけて」
『へ…、』
顔を上げると、なんとリチャードが出口でアレックスに手を差し出して待っていてくれていた。
(へ…、なんて…///。もっとマシな返事が出来なかったのか私のバカ!!)
『あ、ありがとうございます…』
遠慮がちに掴んだ手をリチャードは優しく引いてくれ、段差に躓くことなくアレックスはリチャードと共に洞窟を出た。
*
「よかった。無事外に出られたみたいだね。」
『追っ手もいないみたいですね』
そう言ってアレックスは隣のリチャードを見ると、彼は荒い呼吸を繰り返していた。
「リチャード、大丈夫か?」
「心配いらない。少し疲れただけだよ…」
「少し休もう。どこか一息つけそうな場所はあるか?」
『それなら確か街道沿いに旅人が使う小屋があったはず。ほら、あそこ。』
アレックスが指差した先をアスベルも見る。確かに洞窟の岩陰の向こうにちょこんと屋根が見えた。
「二人の気遣いは嬉しいけど僕の事で手間を取らせるわけには…」
『私も少し疲れましたし、グレルサイドまで距離があります。休める時に休んでおいた方がいいですよ、リチャード様』
「そうだぞ。俺達の事は気にするな」
二人の説得に負けたリチャードは渋々頷き、小屋の前の通りで腰を落ち着かせたのだった。
*
つかの間の休息を取る一行。リチャード、アスベル、アレックスで大人な会話をしているとソフィは浜辺にいる鳥に興味を惹かれフラフラと離れていく。そんなソフィにアスベルは「あんまり遠くへ行くなよ」と忠告しソフィも「わかった」と返事をした。
あんたは保護者か。
鳥と戯れるソフィを見ながらリチャードは王都を見上げ、これまでの経緯を二人に話した。
陛下がいらした玉座の間で反乱が起き、リチャードも殺され掛けたという。惜しくも陛下は殺されてしまったが、リチャードは倒れた死体に紛れつつ、あの聖堂へと繋がる地下通路へ逃げ延びたそうだ。
だが、その陛下に刃を向けたのがなんと…、
「騎士団の親衛隊達だ。」
「「──…!!?」」
リチャードから明かされた衝撃の事実。王族を守るべき騎士団が王族に剣を振るったのだ。
「うそだろ!?」
『そんな…!!私の父もそこにいたのでしょうか…』
「それは…わからない。だが、親衛隊への昇進を受けたと僕は聞いたよ」
『…、…お父様…』
アレックスは悲しみに満ちた瞳で今にも涙が溢れそうな顔を見せた。
無言で二人から離れていくアレックスの小さな背中をリチャードは悔しそうに見つめていた。
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テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第18話
あれほど苦手としていた暗い場所にいるアレックスであったが、すく側にいるリチャードの事を意識してしまい、怖いという感情がどこかに消えてなくなってしまっていた。
我ながらゲンキンなヤツだと思う。
進んだ洞窟の先から光が差し込んでいた。出口に辿り着いたようで、かすかに水の音も聞こえる。
『海の匂いがする。』
「あぁ、出口みたいだ。俺が先行して、外に追っ手がいないか確認してくるからアレックスはリチャードとここで待っててくれ」
『うん。…っえぇ!!?』
出口の側でリチャードを止めたアスベルがそういって、ソフィを連れて先に外へ行ってしまった。
『………。』
「………。」
く、くそうアスベルめ。さてはわざとだな。暗い洞窟の中でリチャード様とふ、ふ、二人っきりなんて…。
『……、』
嬉しいけど!!
嬉しいが困る!!!
へ、変に緊張してしまうじゃないか。
一人悶々と悩んでいるとアスベルの呼ぶ声が聞こえ、それにリチャードは洞窟を出ようする。
「アレックス行くよ。段差になってるから気をつけて」
『へ…、』
顔を上げると、なんとリチャードが出口でアレックスに手を差し出して待っていてくれていた。
(へ…、なんて…///。もっとマシな返事が出来なかったのか私のバカ!!)
『あ、ありがとうございます…』
遠慮がちに掴んだ手をリチャードは優しく引いてくれ、段差に躓くことなくアレックスはリチャードと共に洞窟を出た。
*
「よかった。無事外に出られたみたいだね。」
『追っ手もいないみたいですね』
そう言ってアレックスは隣のリチャードを見ると、彼は荒い呼吸を繰り返していた。
「リチャード、大丈夫か?」
「心配いらない。少し疲れただけだよ…」
「少し休もう。どこか一息つけそうな場所はあるか?」
『それなら確か街道沿いに旅人が使う小屋があったはず。ほら、あそこ。』
アレックスが指差した先をアスベルも見る。確かに洞窟の岩陰の向こうにちょこんと屋根が見えた。
「二人の気遣いは嬉しいけど僕の事で手間を取らせるわけには…」
『私も少し疲れましたし、グレルサイドまで距離があります。休める時に休んでおいた方がいいですよ、リチャード様』
「そうだぞ。俺達の事は気にするな」
二人の説得に負けたリチャードは渋々頷き、小屋の前の通りで腰を落ち着かせたのだった。
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つかの間の休息を取る一行。リチャード、アスベル、アレックスで大人な会話をしているとソフィは浜辺にいる鳥に興味を惹かれフラフラと離れていく。そんなソフィにアスベルは「あんまり遠くへ行くなよ」と忠告しソフィも「わかった」と返事をした。
あんたは保護者か。
鳥と戯れるソフィを見ながらリチャードは王都を見上げ、これまでの経緯を二人に話した。
陛下がいらした玉座の間で反乱が起き、リチャードも殺され掛けたという。惜しくも陛下は殺されてしまったが、リチャードは倒れた死体に紛れつつ、あの聖堂へと繋がる地下通路へ逃げ延びたそうだ。
だが、その陛下に刃を向けたのがなんと…、
「騎士団の親衛隊達だ。」
「「──…!!?」」
リチャードから明かされた衝撃の事実。王族を守るべき騎士団が王族に剣を振るったのだ。
「うそだろ!?」
『そんな…!!私の父もそこにいたのでしょうか…』
「それは…わからない。だが、親衛隊への昇進を受けたと僕は聞いたよ」
『…、…お父様…』
アレックスは悲しみに満ちた瞳で今にも涙が溢れそうな顔を見せた。
無言で二人から離れていくアレックスの小さな背中をリチャードは悔しそうに見つめていた。
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