〜白薔薇の君〜
拍手連載
テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第13話
『はぁ…、はぁ…、』
一体なんでこんなことになったのだ。
何故私は路地に隠れながら家に帰らねばならないのか。誰が今すぐ答えてほしい。
『はぁ…、もう行ったかな…』
ついさっき目の前を5人ほど兵が駆け抜けていったのだ。もう生きてる心地がしなかったくらいだ。
『一体私が何したってのよ』
誰かと間違えてるんじゃないか、とか、たんなる勘違いじゃないのか、とか、それとも…、…
『ダメだ。これ以上思いつかない』
一人悶々と考えてこんでいたアレックスの耳に再び足音が聞こえてきた。さっきより多いようだ。
アレックスは慌てて身を隠す。
「城の方へ向かったぞ!!」
「少女を連れている!見間違うな!」
「油断するなよ!!」
なんだなんだ。
私の他にも追われてるヤツがいるのか。
ご愁傷様。とエサになってくれた誰かに適当に感謝し、アレックスはいそいそと家路を急ごうと動いた瞬間…──、
「赤茶色の髪に白い服の男だ!!薄紫の髪の少女を連れている!向こうへ回れ!!」
『──…、』
アレックスの位置からそう遠くない場所で誰かがそう叫んだ。
“赤茶色の髪、白い服の男”
“薄紫の髪の少女”
『…心当たりがありすぎる…』
大有りである。
…いやしかし、彼…否、彼らが今、バロニアにいるわけないのだ。そうだ、きっと人違いに決まってる。
『……。』
──…、
「しまった、見つかったか!!」
「アスベル」
「こっちだソフィ!」
──…、
『……。』
気になって様子を伺いに来たアレックスはばっちり見てしまった。
『何でバロニアにいるのよ…』
仕事はどうしたんだ。
まさかたった1日で失脚とか。
これほど気のせいであってほしいと思った日はおそらくないだろう。アレックスの耳に届いた“赤茶色の髪、白い服の男”と“薄紫の髪の少女”は予想通りで、ある意味予想はずれ。
アスベルとソフィだった。
数時間前、爽やか(?)に別れた手前、今彼らの前に姿を現すのは非常に気まずい上に、恥ずかしい。
…だがこのまま放ってもおけないのも事実で。
さて、どうしたものか…。
『恥ずかしい、なんて言ってられないか…』
とにかく、助けてやろう。
──…、
「!!…しまった、囲まれたか…!!」
後ろから追ってくる追っ手。
さらに前からも足音が聞こえる。まさに八方塞がりだ。
…どうすればいい…!?
「くそ…!!」
側でソフィが不安そうにアスベルを見上げてくる。
足音が大きくなる。距離が近い。
どうすればいい、とアスベルは頭の中で同じ言葉を繰り返していた。
…そんな時だ。
『こっちだよ!!』
「─!!?」
突如民家の窓が開いたのだ。
中から顔を見せたのは、アスベルやソフィも知る、アレックスだった。
何故ここに、とか言いたいことは多々あったが、思いも寄らぬ助けにアスベルは希望の光が見えた気がした。
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テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第13話
『はぁ…、はぁ…、』
一体なんでこんなことになったのだ。
何故私は路地に隠れながら家に帰らねばならないのか。誰が今すぐ答えてほしい。
『はぁ…、もう行ったかな…』
ついさっき目の前を5人ほど兵が駆け抜けていったのだ。もう生きてる心地がしなかったくらいだ。
『一体私が何したってのよ』
誰かと間違えてるんじゃないか、とか、たんなる勘違いじゃないのか、とか、それとも…、…
『ダメだ。これ以上思いつかない』
一人悶々と考えてこんでいたアレックスの耳に再び足音が聞こえてきた。さっきより多いようだ。
アレックスは慌てて身を隠す。
「城の方へ向かったぞ!!」
「少女を連れている!見間違うな!」
「油断するなよ!!」
なんだなんだ。
私の他にも追われてるヤツがいるのか。
ご愁傷様。とエサになってくれた誰かに適当に感謝し、アレックスはいそいそと家路を急ごうと動いた瞬間…──、
「赤茶色の髪に白い服の男だ!!薄紫の髪の少女を連れている!向こうへ回れ!!」
『──…、』
アレックスの位置からそう遠くない場所で誰かがそう叫んだ。
“赤茶色の髪、白い服の男”
“薄紫の髪の少女”
『…心当たりがありすぎる…』
大有りである。
…いやしかし、彼…否、彼らが今、バロニアにいるわけないのだ。そうだ、きっと人違いに決まってる。
『……。』
──…、
「しまった、見つかったか!!」
「アスベル」
「こっちだソフィ!」
──…、
『……。』
気になって様子を伺いに来たアレックスはばっちり見てしまった。
『何でバロニアにいるのよ…』
仕事はどうしたんだ。
まさかたった1日で失脚とか。
これほど気のせいであってほしいと思った日はおそらくないだろう。アレックスの耳に届いた“赤茶色の髪、白い服の男”と“薄紫の髪の少女”は予想通りで、ある意味予想はずれ。
アスベルとソフィだった。
数時間前、爽やか(?)に別れた手前、今彼らの前に姿を現すのは非常に気まずい上に、恥ずかしい。
…だがこのまま放ってもおけないのも事実で。
さて、どうしたものか…。
『恥ずかしい、なんて言ってられないか…』
とにかく、助けてやろう。
──…、
「!!…しまった、囲まれたか…!!」
後ろから追ってくる追っ手。
さらに前からも足音が聞こえる。まさに八方塞がりだ。
…どうすればいい…!?
「くそ…!!」
側でソフィが不安そうにアスベルを見上げてくる。
足音が大きくなる。距離が近い。
どうすればいい、とアスベルは頭の中で同じ言葉を繰り返していた。
…そんな時だ。
『こっちだよ!!』
「─!!?」
突如民家の窓が開いたのだ。
中から顔を見せたのは、アスベルやソフィも知る、アレックスだった。
何故ここに、とか言いたいことは多々あったが、思いも寄らぬ助けにアスベルは希望の光が見えた気がした。
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