〜白薔薇の君〜




アスベルの父、アストン様の戦死にフレデリックは彼に合わせる顔が無いと嘆いた。

そんなフレデリックにアスベルはただ、「気にしなくていい」と慰める。




…仕える者として守るべき人を守れなかった悔しさはきっとアスベルには分からないだろうと私は思った。それは恥ずべき事なのだと…


アスベルは知らないだけ…





すると、緊張が緩み、安心しきったその場で、さらなる危機がアレックス達を襲った。



『な、なにあれ…』



国境砦の方からフェンデル軍の国旗を掲げる戦闘機が何台もやってきたのだ。



「フェンデル軍の兵器だ!」


見たことがあるバリーが恐怖に叫ぶ。


「フェンデルはあんなものまで持ち込んでいるのか!?」

『そんな…!あんなので攻め込まれたらひとたまりもない!!』



まさか、というかやっぱりというか。
見た目からして頑丈そうな鋼鉄のボディは自分の剣では歯が立たない事など一目瞭然である。


そうしてる間にも、兵器は一歩一歩着実にアレックス達に近づいてくる。


「あの兵器のせいで我が方は苦戦をしいられております。」

『…っ!!あんな物が街に入り込んだりしたら大変な事になる!!』

「あぁ。なんとかここで食い止めないと」


と、口にはしてみたものの、実際どう対処すればいいのかまったく分からない。

自分達よりもはるかに大きい相手に剣術も輝術も通用するとは思えないし、そこまで実力があるわけでもないのだ。



『でもどうすれば…』



どう考えたって勝てる気がしない。そもそも兵器は一つだけではないのだ。うしろから次々と列をなしてこちらに向かってきているのが見える。



「何度か正面からぶつかりましたが、我々の力では勝てそうにありません。」

『どうしようアスベル』


思わず彼を振り返ってしまう。そんなアスベルが悩んだ末、出した答えは“地形を利用する”という斬新なものであった。

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