〜白薔薇の君〜
拍手連載
テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第6話
「アスベル様、あちらを!」
ラントを出て、一本道をひた走る。緩い坂を駆け登った先で事は起きていた。
──そこは戦場。
命の奪い合いをしている、その場を目の当たりにした私は初めて心の底から震えた。
──戦争…
どこか遠い世界の話のように考えていたのかもしれない。例え、状況が切羽詰まっていたとしても、自分なら大丈夫だと…死にはしないだろうと思っていたに違いない。
でなければ、今こんなに恐いと体が震えたりしないはずだ。
『…あの人がフレデリックさん…?』
一際激しい戦いを繰り広げるその側で、ラント民兵達にまるで見せつけるかのように立たされている老人が1人。もちろんその両手は後ろに佇むフェンデル兵に押さえつけられ、身動きが取れない状況である。
「はい。私の祖父です」
『急がないと、アスベル!』
「あぁ!フレデリック…今助けるぞ!」
私とアスベルは剣を抜く。
真っ直ぐにフレデリックの元へ行くアスベル。アレックスは押されているラントの民兵達を助けに戦場を駆けた。
『燃え盛る焔(ほむら)よ…散れ!!紅蓮の舞!!』
花びらのように舞う炎が次々に敵を焼き尽くし、沈黙させる。
「大丈夫ですか?」
安全と確認したシェリアがアレックスの元へ駆け寄る。平気ですと答えたアレックスにシェリアは少しだけ顔を綻ばせた。
私が年下と分かってから何かと気遣ってくれるシェリアにアレックスもほんの少しだけ嬉しくなるのだった。
視線でアスベルを追うと無事フレデリックを救出に成功したらしく、助けられた彼が頭を下げていた。そんな彼に戸惑った様子のアスベル。…だから、少しだけ気づくのに遅れてしまったのだ。
──アスベルの背を狙うフェンデル兵がいる事を。
『危ないっ!!』
「──…っ!!?」
一閃。断末声を上げ、崩れ落ちたフェンデル兵にアレックスはふぅ、と肩の力を抜いた。
「すまないアレックス。助かったよ」
『うん。怪我無くてよかったよ』
あぁ、とアスベルは頷いた。
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テイルズ オブ グレイセス
「白薔薇の君」
第6話
「アスベル様、あちらを!」
ラントを出て、一本道をひた走る。緩い坂を駆け登った先で事は起きていた。
──そこは戦場。
命の奪い合いをしている、その場を目の当たりにした私は初めて心の底から震えた。
──戦争…
どこか遠い世界の話のように考えていたのかもしれない。例え、状況が切羽詰まっていたとしても、自分なら大丈夫だと…死にはしないだろうと思っていたに違いない。
でなければ、今こんなに恐いと体が震えたりしないはずだ。
『…あの人がフレデリックさん…?』
一際激しい戦いを繰り広げるその側で、ラント民兵達にまるで見せつけるかのように立たされている老人が1人。もちろんその両手は後ろに佇むフェンデル兵に押さえつけられ、身動きが取れない状況である。
「はい。私の祖父です」
『急がないと、アスベル!』
「あぁ!フレデリック…今助けるぞ!」
私とアスベルは剣を抜く。
真っ直ぐにフレデリックの元へ行くアスベル。アレックスは押されているラントの民兵達を助けに戦場を駆けた。
『燃え盛る焔(ほむら)よ…散れ!!紅蓮の舞!!』
花びらのように舞う炎が次々に敵を焼き尽くし、沈黙させる。
「大丈夫ですか?」
安全と確認したシェリアがアレックスの元へ駆け寄る。平気ですと答えたアレックスにシェリアは少しだけ顔を綻ばせた。
私が年下と分かってから何かと気遣ってくれるシェリアにアレックスもほんの少しだけ嬉しくなるのだった。
視線でアスベルを追うと無事フレデリックを救出に成功したらしく、助けられた彼が頭を下げていた。そんな彼に戸惑った様子のアスベル。…だから、少しだけ気づくのに遅れてしまったのだ。
──アスベルの背を狙うフェンデル兵がいる事を。
『危ないっ!!』
「──…っ!!?」
一閃。断末声を上げ、崩れ落ちたフェンデル兵にアレックスはふぅ、と肩の力を抜いた。
「すまないアレックス。助かったよ」
『うん。怪我無くてよかったよ』
あぁ、とアスベルは頷いた。
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