第18話
夢小説設定
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ぱっと目が覚めた。
視界に入る天上は見慣れない装飾の内装。
それがここがパルスではないと理解する。
えーっと…、
どうなったんだ。
なぜ私はここで横になっているのか。
目が開いた状態で数秒、停止する。
するとコンコンとノックし、部屋に入ってくる人の気配。
首が動かせず、視線だけ横に向けた。
「――エレン様!?」
『その声…、エ、ラム?』
声が掠れた。
もう何日も声を出せてないのか、喋り方を忘れたような感覚がした。
驚いたエラムは水が入った桶をベッドの横に起き、彼女の顔を覗き込む。
どうやらずっと看病してくれていた様子。
「ご気分はいかかですか?どこか痛むところは?」
『だい、じょうぶ…。私どうなった、の?』
「覚えていらっしゃらないのですか?神前決闘から三日、目を覚まされなくて…、」
『え?三日も?』
「とにかく。エレン様が目覚められたと知らせて参りますので、少しお待ち下さい。」
絶対安静にしててくださいと、最後に釘をさされたエレン。
部屋を出ていくエラムを見送った後、どうしても気になることがあったので重い体をなんとか起き上がらせベッドから出るとそのまま部屋を出た。
そこは煌びやかな内装の廊下が延々と続く。
どうやらシンドゥラの王宮の部屋に自分はいたようである。
掴むものがなくては歩けないためどうしても壁伝いにのろのろと歩くしかなく。
あの人はどうなっただろう。
それが知りたくて人気のない廊下をひたすら歩いていると向かいから二人の兵士がこちらの向かってくる。
『あのー…、』
「?――うわぁっ!」
『?』
まだ何もしていないのにまるで幽霊でも見たかのような反応にこちらもどう対応すればいいのか。
え、私足あるよね?
『あ…、一つお聞きしたいのですが…って、えぇ!?』
今度はこちらが悲鳴を上げてしまった。
なぜなら兵士が膝を付き、頭を床につけたからだ。
えっと…、何が起こった?
「聖なる乙女(ホーリーメイデン)!」
「感謝してもしきれません!」
「どうか我々のこれまでの無礼、お許したまわれますよう!」
『(…無礼って、ラジェンドラ王子のことかな?)』
思い当たることが約一名にだけあるのだが…。
そうこうしていると次々に王宮の官吏や兵士、侍女達と集まっていき彼女が現れたことに騒ぎ始めた。
「見てください!この腕、すっかり治りました!」
「神からの贈り物のようなお人だ!」
「本当にすごかったです!」
『(ヒィ…っ!)』
誰か助けてー!
大勢の人に押し寄せられ、混乱するエレン。
次々にすごかったと、神の御業だと、言い寄られても事情が全く把握出来ていない。
人だかりにパニックに陥っているとひょいと抱き上げられたエレン。
急に視線が高くなり人だかりから抜け出すことが出来た。
「何をしているのだお主は。」
『え…ダリューン様っ!』
と、その後ろではナルサスとギーヴと彼らを呼びに行ったエラム。
ダリューンに横抱きに抱えられたエレンは別の意味でパニックに陥っていた。
『(やばい、嬉しすぎて気絶しそう。)』
ニヤけそうな顔を見られまいと顔を両手で隠す様をナルサスはくすくすと意地悪く笑っていた。
人だかりをなんとか解散させ、名残惜しそうに散っていく王宮の人々を横目にエレンを抱えたダリューン、ナルサス、ギーヴ、エラムは先程彼女が目を覚ました部屋へ戻った。
「全く。エレンが目を覚ましたと慌てて来てみればもぬけの殻ときた。」
『申し訳ありません…。』
ダリューンは小言を言いながらエレンをそっとベッドに戻す。
『どうしても気になることがあって…、』
「まぁお主の気持ちもわからなくもない。エレンが目覚めるまでの三日間、いろいろあったのでな。聞きたいことが山積みだろう。」
そう話しながらナルサスはベッドの傍の椅子に腰掛ける。
その後ろからダリューンとギーヴがおり、エラムは他にまだ知らせていないアルスラーン殿下とファランギース、アルフリードの下へ伝達に出ていった。
「さて、何から聞きたい?」
『では…あの、ジャスワントの養父であるマヘーンドラ様という御方は…どうなりましたか?』
一番それが気になって仕方ない。
簡潔に言うと彼は命拾いしたそうだ。
…ただそれだけでは終わらなかった。
『治った!?しかも全員って…』
くわっと思わず大口を開けてしまった。
口が開いてるとナルサスに指摘され恥ずかしげに両手で口を塞いだ。
「そうだ。敵味方関係なしに、だ。」
「俺の傷も綺麗さっぱり治っているだろう。」
『本当だ…。』
バハードゥルとの戦いで負った左の額に出来た傷はまるで何事もなかったかのように消えていたという。
「あの時、あの場にいた全員の血を止め、骨までくっ付いたそうだ。それほどの力を使ったのだから三日も眠っていて当然だろうな。」
『そ、そんなことを私が…』
本当にしたのだろうか…。
ん?そういえばさっき廊下で…。
『あの、さっき廊下でホーリーメイデンと言われたのですがそれと関係が?』
「あぁ。エレン殿ことらしい。聖なる乙女、だと。良い名ではないか。」
なぜかギーヴが嬉しそう。
これはきっとこの先この名で私をからかうつもりだな。
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