第16章
夢小説設定
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混乱する戦況の中、アルスラーンはダリューンに出撃命令を出し、颯爽とシャブラングを操る彼の後方支援にとギーブとファランギースを指名する。
はっ。と気前良く返事をしたはいいものの。
はたして“あれ”に補佐が必要かどうか。
キシュワード卿より受け取った方天戟が戦場を駆ける。
一振りしただけでその足元には五〜六人のガーデーヴィの兵士が死体を重ねていった。
天下無双の騎士ダリューンの登場とさらに続けて放たれる毒の槍。
ガーデーヴィ軍は総崩れ目前だった。
足の早いダリューンの馬はあっという間にガーデーヴィ王子の乗る白象の下へとたどり着く。
彼を討ち取ればこの戦は終わりを迎えるのだ。
「そこの白象!ガーデーヴィ王子か!?」
「ひっ…、はっ…!」
数々のシンドゥラの武将を打ち取ってきた黒衣の騎士が今目の前にいる。それだけで一気にガーデーヴィの体を恐怖が支配する。
「な、何をしている!白象を寄せろ!馬ごと踏み潰せ!」
「いっ…、か、かしこまりました!」
象に使うムチをガーデーヴィは従者に向けて振るう。
ガーデーヴィのその暴虐さにダリューンは怒りを覚えた。アルスラーン殿下なら決してなさらぬことだ、と。
すると右手に持つ方天戟が一瞬にして手から離れる。
奪ったのは別の戦象だ。象特有の長い鼻を使ってダリューンの方天戟をかすめ取りへし折ったのだ。
さらに複数の象に囲まれるダリューン。
ピンチを察したギーブとファランギースがすかさず遠距離攻撃を放つ。ダリューンを踏み潰そうとした象の左右の目に矢を放つと象は暴れ、上に乗せていたガーデーヴィが振り落とされる。
そこへ巨体の象を乗り越えガーデーヴィの目の前に恐怖の黒衣の騎士が自身の首を跳ねようかと狙いを定めていた。
しかしその刃がガーデーヴィに届くことはなく。
ダリューンの剣は横から現れた男、馬に乗ったジャスワントの剣を受け止めていた。
激しい剣戟に倒れ伏した象がひと暴れし、その拍子でダリューンは上から振り落とされる。
そのすきにジャスワントはガーデーヴィを馬に乗せその場を逃走する。逃げるジャスワントとガーデーヴィを仕留めんとファランギースが矢を引き絞るが、それをアルスラーンが制止する。
「打つな!あれはジャスワントだ!」
その言葉に迷いが生まれはついにはファランギースは弓を下げた。
その一瞬のすきにジャスワントは土煙の向こうへと姿をくらましたのだった。
「殿下があの者をお助けになるのはこれで二度目です。あの者に恩を感じる心があればよろしゅうございますが…。」
ファランギースの言うことも最もだ。
わかっているがアルスラーンはどうも彼を死なせたくなかった。
ガーデーヴィが逃走したことで此度の決戦はラジェンドラの勝利となって幕を下ろした。
チャンディガルの野にラジェンドラ軍とパルス軍の勝利の勝鬨がどこまでも響き渡った。
その直後――。
国都ウライユールから衝撃の報告が二人の王子にもたらされる。
【カリカーラ国王陛下が意識を回復された。】と。
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