第15章
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グジャラート城から帰ってきたエレンとギーヴ、ジャスワント。
戻ってくるなり、ちゃんと脅してきたかと期待を込めてに聞くものだから『お望み通り。顔を真っ青にしてやりました。』と答えるとナルサスはさらに嬉しそうにする。
「いやはや。お主の使い道がわかってきたぞ。」
『…。』
いやだからあなたは私をなんだと思っているのですか。
帰還したエレンとギーヴにナルサスは作戦を伝える。
そして深夜。
馬と兵士、それそれに口に綿を含ませ、夜陰に乗じて進軍する。
ジャスワントがグジャラート城司に進言した通りここを抜け国都ウライユールへと向かい始めた。
エレンは騎馬隊の隊列に配置し愛馬・ヴァナディールとともに進軍していた。その横を護衛のセトも付き添う。
エレンを含む騎馬隊が城の前を通り過ぎ、残すは最後尾の糧食部隊に差し掛かったとき、エレンはそっと隊列から外れ、道の脇に寄ると後方部隊を気にした。
「どうされました。」
『あぁ、うん。…ギーヴは大丈夫かしらと思って。』
同じように隊列から外れたセト。
主の突然の行動には、最近ようやく慣れつつあった。
「気になるのでしたら、見に行かれますか?」
『―!…そうしてもいい?』
セトはコクンと静かに頷くだけ。
エレンはそのままヴァナディールの手綱を進行方向とは反対の方向へと向けた。
月の光もない完全な暗闇の中、最後尾からかすかに聞こえる剣と剣がぶつかり合う音。
『ギーヴかしら。』
激しい打ち合いのなか、鋭い一撃の音がエレンの耳も届く。
目を凝らしてみると、そこには倒れ伏すジャスワントと立ち尽くすギーヴ。
これは勝者ギーヴと見て良いだろう。
『殺したの?』
「いや。気絶させた。剣の腹でな。」
『そう。なら良かった。』
ナルサスからは殺さず、捕縛するようにとの指示だった。
エレンはそれが出来る相手であれば良いのだがと少し心配していたのだ。
ダリューンでさえ、ジャスワントのことをかなりの剣の達人だろうと予測していたから。その彼を殺すことなく気絶させたギーヴもかなりの達人なのだろう。…そんな雰囲気は感じないのだが。
「そいつが目覚める前に縛り上げといてくれ。」
『え。なんで私が。』
「ラジェンドラ王子で慣れてるだろう?」
『あのね。』
まるで私が縛るのが得意な女みたいな発言はやめて欲しい。
ギーヴから急ごう、と急かされながら気絶したジャスワントを縄で縛った。
その頃パルス軍の隊列を茂みから覗くグジャラート城の城司とその兵士達。ジャスワントと結託してパルス軍の糧食部隊を襲う算段を企んでいたのだが、肝心のジャスワントからの合図が来ない。それもそのはず。彼はギーヴが気絶させたのだがら合図などいくら待っても来るはずもない。
しびれを切らした城司は独断で突撃すること決心する。
「合図を待つまでもない!出るぞ!かかれぇ!糧食を全て奪い取れ!」
わぁ、と一斉に茂みから出るグジャラート兵。
糧食を載せた荷馬車に向かって突撃する。
しかし荷馬車に近づいた瞬間、覆っていた白い布が取れるとそこにいたのは武装したパルス兵だった。
弓を引き絞り、狙いをこちら定め、一斉に放たれる。
うわぁと悲鳴が響き渡り、グジャラート軍の士気が一気に下る。
「おのれ騙しおったな!ジャスワントはどこだ!これはどういうことだ!」
夜襲を仕掛けたはずなのに、劣勢を強いられるグジャラートの兵士達。
なおもパルス兵の勢いは止まらず、見かねた城司。そこへパルス兵を指揮する少年ことアルスラーン殿下の姿を捉えた。彼がこの軍を指揮していると気づくと一目散に突っ込んでくる。
殿下のそばで戦っていたエレンは殿下を庇おうと前に飛び出し剣をかまえる。
「パスルの小僧!そこを動くな!」
『――っ!』
しかし城司が殿下に近づく前にそばで控えていた大柄なパスル兵がものすごいパワーで槍を投げつけ、それが見事城司の喉元に命中する。
一瞬で仕留めたのは大柄なパルス兵こと“ダリューン”であった。
味方からお見事!称賛の声が上がる。
殿下が無事だったことにエレンもほっと一息。
しかし殿下の前に躍り出たことであとで彼に怒られるのだが。
これでゴーヴィン将軍は打たれ、さらにターラ将軍もファランギースの弓によって討ち取られる。
見事に軍師ナルサスの策にハマってくれたようだ。
さらに残りのグジャラート兵を掃討せんと一度通り過ぎた騎馬隊が引き換えしてきたと報告が上がりさらに軍の士気は下がる一方に。
「退却だ!」
「城へ戻れー!」
城へと引き返すグジャラート城の兵士達。
しかしそこはもう彼らの居城ではなかった。
開門と叫んだグジャラート城の兵士達に矢の雨が降り注ぐ。
城壁を見上げるとそこにはためいていた旗はシンドゥラ国のものではなく。
パルス国の旗が挙げられていた。
夜襲をかけているうちにナルサス率いる隊が城を占拠したのだ。
「パルスの旗!?」
「夜中に“家”を空けるのは関心せんなぁ」
こうして指揮官を失ったグジャラート城の兵士達は泣く泣く城を追い出されはめになった――。
すべてナルサスの策である。
恐ろしい人だ。
たったの三日で要衝であるグジャラート城が陥落したことはすぐに国都ウライユールにいるラジェンドラ王子の腹違いの兄・ガーデーヴィ王子の耳にも届く。
あまりの速さの落城に動揺を隠せない。
なにかの間違いではないかと騒ぐ彼をなんとかなだめようとするのは、宰相マヘーンドラ。ジャスワントの養父に当たる人物である。
ガーデーヴィ王子はうろたえるばかりであるが、宰相がそれを補佐するように軍事をすべて彼が担っていた。
国都ウライユールではラジェンドラ王子を迎え撃つべく、かつ要衝であるグジャラート城を奪還せんと兵力を戦象部隊を準備させつつあった。
そのころ、パルス軍が占拠したグジャラート城では――。