第15章
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新年の儀が行われたあと、ラジェンドラ軍を交えて宴が行われた。
兵達は楽しそうに食事をし、酒を煽る。
とある天幕ではアルスラーン殿下一行も新年最初の食事を頂いていた。…もちろんその客としてランジェンドラ王子も同席する。
「いやぁめでたいめでたい!無事に儀式は終えられたようだな!」
「ラジェンドラ殿下のおかげで、よい新年の儀が執り行えました。」
「おぬしと俺はもはや兄弟同然!困ったことがあったらなんでも言ってくれ!」
遠慮なしにアルスラーン殿下の両肩をバンバン叩くラジェンドラ。
その背後でダリューンが般若の如き顔していたことを彼は気づかない。
『(両腕をぶった斬ってしまいたい…。)』
ここにも物騒なことを考える人が一人。
キシュワードからも、あまり不敬な態度は控えよと忠告されたがそんなもん知ったことではない。
「私の方も相談事があればなんでもお聞きしますよ。」
アルスラーンのその言葉を待ってました!と言わんばかりに、実は…言いにくそうにこちらに目配せをするラジェンドラ王子。
それに気づいたアルスラーンはダリューンらに席を外すよう指示する。
アルスラーンとラジェンドラの二人を残して天幕を追い出されたエレン達。
後ろ髪を引かれながらも少し離れた場所で待機する。
『ラジェンドラ王子の相談事とはなんだと思います?』
「おおかた予想はつく。」
冷静に返すナルサス。彼にはラジェンドラ王子がどのような行動に出るのか、またどのようなことを考えているのか手に取るようにわかるらしい。
だからこそ、同盟相手に彼を選んだとも言えるのだが。
これほど欲に対して従順は男はおるまい、とナルサスは言う。
数分してアルスラーン殿下が天幕から出てきた。
ランジェンドラ王子からの相談事とやらは終わったようだ。
少し離れた場所にいたダリューンをすぐに見つけこちらにやってくる。
「分進合撃の提案ですと?」
殿下もその場に交えて、ダリューンがもう一度復唱する。
どう思う?とアルスラーンは意見を求めた。
まぁ、十中八九…
『罠でしょう。』
「罠だろう。」とギーヴ。
「罠じゃろう。」とファランギース。
「罠ね。」「罠ですね。」とアルフリードとエラム。
どうみても罠だと、誰もが進言する。
それほどまでに彼への信頼度は皆無なのだと、再確認する。
「あの音痴王子、俺達が別の道を進み始めたらガーデーヴィに俺達の進路を親切に教えてやることでしょうよ。ファランギース殿も俺と同じことを考えているだろう?」
「不愉快なことじゃがな。」
ギーヴの熱のこもったセリフをばっさり切り捨て、ファランギースは殿下に意見を伝える。
「ガーデーヴィ王子とパルス軍がぶつかればラジェンドラ王子に得なことばかりでしょう。」
「ではやはり断った方がよいか?」
「いえ。ご承諾なさいませ。ただし…、条件をつけて、です。」
その条件というのは、
糧食、牛馬の提供と地図と案内人
以上を条件としてつけるようナルサスに言われたアルスラーンはしっかりと彼の言う通り請求する。
予想以上の条件にラジェンドラ王子も度肝を抜かれる。
どうやらアルスラーン殿下のことをあまく見すぎていたようで動揺を隠せない。
そんな彼のことなどお構い無しに、ラジェンドラ王子の進路も教えろと言い出す始末。
「夜間にガーデーヴィ軍と間違って攻撃してしまわないように。」
意気揚々と話すアルスラーンと打って変わって、ラジェンドラは少し気まずそうに部下に地図を寄越すよう指示する。
案内人には「ジャスワントを呼べ!」と彼が命令すると、すぐさまやってきた見覚えのあるシンドゥラの男。
「お呼びでございますか。」
「お主は先日、泉の案内をしてくれた、」
「ジャスワントと申します。」
よろしく頼む、と嬉しそうに話すアルスラーン殿下からすこし離れたところからその案内人とやらを観察していたダリューンとファランギース。
「気づいておるかダリューン卿」
「あぁ。泉の案内の時から身のこなしを見ていた。」
相当な剣の使い手だ、と――。
『彼になにか問題でも?』
険しい顔をしていた二人に気づいたエレンは小さく声を掛ける
頷くダリューンとファランギース
「あの男に気をつけろ。只者じゃない…。」
『――…、』
「要注意じゃな。」
堂々とした態度。アルスラーン殿下を前にしてもうろたえることなく対応する能力。肉体的にも精神的にも積み上げて来た経験がなければ出来ないことだ。
それは彼がそのへんの兵士と格が違うことを物語っていた。