第25章
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パルス軍本隊の突撃で混乱を極めるトゥラーン陣営。
一際激しく怒りを見せたのはこのペシャワール城を任されてるキシュワードだ。
「他国の不幸につけこんで無名の戦を起こす無頼漢め!草原の覇者がきいて呆れる!今後トゥラーンは草原の腐肉漁りとでも自称するがよいぞ!!」
トゥラーン軍を蹴散らしていく様を城壁から見守るペシャワール城の兵士らはようやく現れた味方に疲労も忘れ歓喜の声を上げた。
やれやれと息を付くファランギースとエレンは目線を合わせ笑う。
「エレン、俺も降りるぞ。」
『出るのですか?』
城壁の階段を降りていくクバードの後ろ姿に声を駆ける。
ひらひらと手を振りながらおう。と短く返事する。
少ししてギギ⋯と持ち上がった城門。その前に集っていたトゥラーンがまるで蜘蛛の子のように蹴散らされていく。その様子を見ていた黒衣の騎士ことダリューンはその向こうにいる人物に喜びの声を上げた。
「おお!あれはクバード殿か!」
「よう。」
アトロパテネでの戦い以来の対面である。
かれこれ半年以上ぶりの再会なのに交わす言葉はたったそれだけ。
「アトロパテネ以来お見かけしなかったが無事であったとは重畳!」
立ち向かってくるトゥラーンを片手間で相手し、戦友との再会に喜びを見せる。
「王太子殿下に味方していただけるのですかな?」
「この様子を見ると、さしあたりそのつもりらしいな。」
まるで他人事のような言い方はやはりクバードらしいといえよう。
「西から大陸公路を直進してくるものと思っていたぞ。」
「ナルサスの策です。大陸公路の南側を大きく迂回し、一旦シンドゥラに入り夜のうちにペシャワールの東に忍び寄りました。遠回りしたので少し時間がかかり申し訳ない。」
「なぁに。美女の弓の腕前と、指揮する姿を眺めていたので退屈はしなかった。」
クバードの言う“美女”とはファランギースとエレンである。
こんなことを言えばエレンはものすごく嫌そうな顔をするのだが、それもまた面白く。
トゥラーン軍の東をパルス軍の本隊が、正面をペシャワール城内にいるクバード率いる兵とダリューンにより壊滅に近い損害を受けた。
一際目立つクバードとダリューン。
パルス国内にて数少ない一万騎を率いる力を持つ二人が揃えば、もはやそれは敵からしてみれば災厄という言葉が相応しいだろう。
トゥラーン軍の武将が二人を見て、「人の形をした災厄⋯。」と呟いた――。
第25章・完 2025/11/20.