第18話
夢小説設定
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翌朝。
アルフリードがエレンの看病をしに部屋を訪れる。
ドアをノックし、開けるとベッドの上でのたうち回るエレン。
数秒ドアを開けた状態で停止するアルフリードに訪問者に気づいたエレンがはっと顔を上げる。
『アルフリード〜。』
「(あーなんかめんどくさそう…。)」
などという顔を惜しまず全面に表す彼女の心境などお構い無しに会いたかったーと歓喜に震えるエレン。
『あーもうダメだ。穴に入りたい…。地中に埋まりたい…。』
「はいはい。どうぞご勝手にー。」
アルフリードにとってもはやそんなこと言い出す理由などどうでもいい。
エレンが悶絶している理由は昨日のダリューンとのやり取りを思い出し冷静になった今、猛烈に恥ずかしすぎて後悔しているところである。
『あぁー…、』
肩を借りたい、なんてとんでもないこと言っちゃった…。
次からどんな顔して会えばいいんだ、私。
ベッドの上でうじうじしている彼女に用意した食事を手渡すアルフリードはナルサスのことが好き。
ふと思い出したようにエレンは彼女に問うた。
『アルフリードはナルサス様のどういうところが好きなの?』
「藪から棒だねー。そうねー、やっぱり頭が良くてもちろん顔もいいし、全然偉そうでもないしー。剣の腕もいいし、なにより私を守ってくれたじゃない?」
いや、あの時銀仮面卿から直接守ったのは私なのだが。
どうやらその場面だけ彼女の良いように塗り替えられているらしい。
だが嬉しそうに語る彼女の思い出に横槍を入れるのもどうかと思ったので黙っておいた。
用意してくれ食事を食べていると、コンコンとドアをノックされアルフリードがかわりに対応しに出ると驚いた様子を見せた。
彼女が横にずれるとその先にいたのはなんとアルスラーン殿下であった。ファランギースを供にやっってきたのだ。
思わず口に入れた食事を吹きそうになる。
『で、殿下っ。』
「よい。そのままで。」
礼をしようとするがそれを制止するようにアルスラーンが手を上げる。
「元気そうでよかった。」
『お気遣いありがとうございます。』
ベッドに座ったまま頭を下げる。
すると肩に止まっていたアズライールがばさっと飛んだかと思うとなんとエレンのすぐ傍に降り立ったのだ。
これにはエレンも悲鳴に似た声を上げてしまいそうになるのを両手で口を塞いで堪えた。
ここまでの至近距離にアズライールがいた事がいままであっただろうか。
その様子にアルスラーンもははっと笑う。
「アズライールも感謝しているみたいだ。」
『え、感謝、ですか?』
首をかしげてこちらを見上げるアズライールをあまり直視すぎないようにチラチラみながらアルスラーンの言葉を繰り返す。
「あぁ。そなたの奇跡の力はどうやら生き物にも恩恵をもたらしたようだ。」
『そ、そうなのですね…。』
ピィと小さく鳴くアズライール。
いつかは懐かせてやると意気込んではいたが、まったくその兆しもなく。
だから余計に今の状況に嬉しさのあまり悶絶しそうだ。
「とにかくゆっくり体を休めてくれ。なにか欲しいものがあれば遠慮なく言ってくれ。」
『ありがとうございます殿下。ではエラムの作った料理が食べたいですね。』
「ははっ。私も久しく食べれてないな。伝えておこう。」
シンドゥラの料理はどれもスパイスが効いてて、どうも刺激が強い。
パルス料理にも辛い料理はあるが全てではない。
異国の料理とはなかなか慣れないものだ。
「…そうだ。ジャスワントがそなたに直接会って礼を言いたいそうだ。」
『ジャスワントですか?あの、彼はどうなりますか?ガーデーヴィ派の人間でしたし…。』
「安心してくれ。私から彼を釈放するよう頼んだのだ。ラジェンドラ殿に仕える気もないと言っていたので一緒にパルスへ来ないかと誘ったのだ。」
『え!?彼をですか!?』
驚いて思わず横にいたファランギースを見る。
頷く彼女を見て本気なのだと理解する。
まさか異国の人間を部下にしようとは。
あとにも先にもきっとアルスラーン殿下だけではないだろうかとエレンは思った。
アルスラーンと談笑していると再び来客を知らせるノックの音がする。
もう一度アルフリードがドアを開けた。だがアルスラーンの時の反応とは違い嫌そうな雰囲気がその背中から見て取れた。
嫌そうに横にずれるとそこにいた来客はラジェンドラ王子ならぬ陛下に即位したばかりの彼。
これにはエレンも嫌そうな顔を隠すことなく表情に現した。
「やあやあ麗しの聖なる乙女(ホーリーメイデン)殿!目を覚ましたと聞いて見舞いに来たぞー!ん?アルスラーン殿もおられたか!」
ちょうどいい!勝手に殿下の隣に腰を下ろしたラジェンドラ陛下。
王位を継いだというのにこの人柄は変わらないのだな、と呆れるエレン。
『この度はご即位おめでとうございます。ラジェンドラ陛下。』
「うむ。そなたらのおかげよ!まことに感謝申し上げる!兄上の件も無事片付いたしな!」
そのようで。と冷たく返すもまったく気にならない様子のラジェンドラ陛下。ガーデーヴィ王子が王位をついでも、と思ったがラジェンドラが王位をついでもなんかしっくりこないのは何故だろう。と一人考える。
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