chapitre.7
夢小説設定
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##NAME1##がブランケットを取りに部屋に行っている間にファイがサクラをソファへ運んだ。
サクラを寝かせ、ブランケットをかけてあげると顔に掛かる髪を優しく掬う。
「サクラどう?」
「大丈夫-、良く寝てるよ。最近ずっと頑張って夜以外は起きてたからねぇ。」
『私でさえ、疲れて寝坊しちゃったんだもの。サクラはもっと辛かったと思うな…。』
「そうだねー。」
ファイはサクラを見て穏やかに笑った。そんな彼の顔を見て、モコナが彼の名を呼ぶ。
「ファイ」
「ん?なぁに?」
モコナの呼びかけに、ファイはいつもと変わらぬ笑顔を向ける。しかし、モコナは珍しく真剣だった。
「ファイ、前におっきな湖があった国で、言ってたよね。笑ったり、楽しんだりしたからって誰も小狼を責めないって。」
「うん。それがどうかした?」
「ファイの事もね誰も叱らないよ。小狼もサクラも黒鋼も##NAME1##も、みんな。」
その言葉に、ファイは一瞬目を見開く。
まるで核心を突かれたかのよう。
しかしそれを悟られぬよう笑顔でごまかす。
驚きを隠すように、モコナを手のひらに乗せ、笑って見せた。けれどモコナは先ほどと変わらぬ口調で告げる。
「オレ、いっつも楽しいよぅー」
「でも、笑ってても違うこと、考えてる。」
「――!」
その言葉がファイの胸に突き刺さった。笑顔で隠していた本心を、まさかモコナに見抜かれるとは思っていなかったから。直球で飛んできた言葉に、彼はようやく観念する。
「モコナは本当にすごいなぁ。」
「モコナ108の秘密技のひとつだよ。寂しいひとはね、分かるの。ファイも黒鋼も小狼もどこか寂しいの。でもね、一緒に旅してる間に、その寂しいがちょっとでも減って、##NAME1##やサクラみたいなあったかい感じがちょっとでも増えたらいいなって、モコナ思うの。」
「…そうなるといいね。」
『私も…あったかい、の?』
「うん。##NAME1##はあったかいよ。モコナ##NAME1##が大好きだよ。」
『モコナ…。ありがとう…。私もモコナが大好きだよ。』
その言葉にモコナも嬉しそうにはにかんだ。
『もちろんファイさんの事も大好きだよ。』
「##NAME1##ちゃん…?」
ふいに言われたのでファイの頬が少し染まる。
それでも彼女は笑ってこう言ったのだ。
『私ね、小狼が好き。サクラが好き。モコナが好き。黒鋼さんが好き。…ファイさんの事が好き。みんなの事が大好き。だからみんなが幸せであるようにいつも願ってる。すこしでも笑顔でいられるよう…。』
「――。」
両の手を握り合わせ、祈るよう。
みんながすこしでも幸せだと思えるよう。
「##NAME1##ちゃん…。」
『私、人を愛するのが得意なのっ。ファイさんがどんなふうに生きてきて、辛い思いをしてきたか私にはわからないけれど、今、私達といるこの時が楽しいって幸せって思ってくれたら嬉しいなぁって思います。』
いまこれが彼に伝えられる精一杯の言葉。
どう受け止めてくれるかは彼次第だけれど、でもいつか。彼が抱える不安や辛さを分かち合えたら、と願う。
彼女の言葉に驚かされる。ファイは少し泣きそうになりながら、眉を下げて困ったように笑い##NAME1##の頬をそっと撫でた。
##NAME1##はその手を重ねるように包み込む。
『だからファイさんは自分が大切に想われてるってことをわすれないで。』
「…ありがとう…。」
彼が##NAME1##達を踏み込ませないようにする理由がある以上、今の彼には少し重すぎる言葉かもしれない。
でもどうしても伝えておきたかった。
『(…すこし言いすぎたかな…。)』
別に恋人ってわけじゃないのだけれど、さすがにちょっと今の言葉は重すぎたのでは?と今さらながら反省する。
忘れて、と言おうとしたとき、喫茶店の入口のベルが鳴った。
「「いらっしゃいませー」」
ファイとモコナがすぐに笑顔で挨拶をする。ドアが開き、桜を乗せた風とともに入ってきたのは、隻眼でフードをかぶった青年だった。
『――!』
この感じ…。
その彼を見た瞬間に、##NAME1##は何かを感じ取った。それはファイも同じで僅かに眉を寄せた。
「…モコナ、##NAME1##ちゃんと一緒にサクラちゃんの側にいて。」
『ファイさん…っ』
ファイはモコナに小さくそう告げると、いつものように人の良さそうな笑みを浮かべて店内へ手を差し出した。
ファイの指示通り、モコナはサクラの側へ行き、##NAME1##はその場で立ち上がり警戒する。
「何になさいますかー?」
「ここに鬼児狩りがいますよね。」
「そうですが、今はちょっと外出中ですー。」
「貴方は違うんですか?」
「オレはここで喫茶店やってますー。」
裏のありそうな笑みを浮かべる二人に、##NAME1##は緊張を隠せない。
「それだけの魔力があるのに?」
「……。」
何も写さない青年の義眼がすっと細められる。ファイはその問いには答えず、にっこりと笑っていた目から笑みを消した。
「貴方もね。」
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