chapitre.7
夢小説設定
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「おかえりー。お使いありがとうー。」
「今度は店の奴に運ばせろ。」
「でも自分で買って帰った方が安いんだよー。だから##NAME1##ちゃんがワンココンビ捕まえて買って帰るって。」
「…。」
黒鋼の顔がむすんとなる。
不機嫌な時の顔だ。
その横からサクラが顔を覗かせる。
「あの、小狼君はっ。」
「まだ鍛錬中だ。」
それだけ告げると、お客さんに呼ばれたのでサクラはすぐさまテーブルへ駆けつけに行った。
「遅かったから心配してたんだー。どっか寄り道してたのー?」
「あの酒場にもう一度行ってきた。」
「“白詰草”?」
そうだ、と答えた黒鋼。確かにほんのり彼からお酒の香りがして、いいなぁと零すファイに黒鋼はお前は飲むな。と叱られていた。
着替えが済んだ##NAME1##も店の手伝いをしている間に黒鋼は酒場で聞いた新種の鬼児の話をファイにもしていた。
しばらくして客足が落ち着いてきたあと、今日もお馴染みの鬼児狩りチームの譲刃・草薙・蘇摩が来てくれた。龍王は遅れてくるらしい。
カウンター席で彼らをもてなす。
『今日のケーキはサクラが作ったんだよ。』
「んー美味しい~っ。もう本当になんでこんなに美味しいのかな。」
いくらでも食べれちゃう、と譲刃が述べる感想にサクラは嬉しそうに微笑んだ。
「しかし、龍王のやつ遅ぇな。」
「また無茶なさっていないと良いのですが…、」
蘇摩の心境が顔ににじみ出ていた。
すると噂をするなり、店のドアが荒々しく開く。
飛び込むように店のドアを開けたのは噂の張本人、小狼と龍王だった。
二人の様子がおかしい。
激しく息を切らし、ずいぶん余裕のない表情だ。
「どうしたの?」
ファイが尋ねる。
「新種…の、鬼児に、会った…っ」
――!?
龍王の言葉にみんなの表情に緊張が走る。
「戦ったの!?」
「いや…。鬼児を従えてて、それが凄い数で…。だからそのまま逃げた…。」
けど…、と龍王の言葉がいったん途切れる。
先ほどの様子を思い出す。
「…あれは、絶対…強い!」
そう話す龍王に対して小狼は先ほどから一言も話さない。その顔はまるで信じられないものを見てしまったかのよう。
心配したサクラが顔を覗かせる。
「どうしたの?小狼君…。」
「――。あの鬼児と一緒にいた人は…おれの知ってる人かもしれない…。」
その場にいた全員が小狼を見る。
「その人はおれに戦い方を教えてくれた人です。」
謎は深まるばかり。
その人と会ったのは自分達が暮らしていた玖楼国だ。なのになぜこの桜都国にいるのか。
…そもそも同じ人なのだろうか。いや、あの人はおれを見て小狼、とそう呼んだではないか。
なら同一人物と思うのが当然だ。
頭の中でずっと同じことをぐるぐる考える。
気づけば小狼は自室にいた。
難しい顔をしてふらふら二階へ上がっていった小狼をそっと見守る。
そんな小狼を心配そうに見つめるサクラ。##NAME1##にあとはやるからと言われ、片付けをそこそこにモコナと一緒に自室へ戻る。
片付けを済ませ黒鋼とファイも二階へ上がる中、##NAME1##だけは残り、またカウンターで本を広げて今日も夜更かしをする。
本のページをめくり、左手で机に頬をついたまま白紙の紙になにやら文字を書き込んでいく。
『(不死鳥…、秘術…、魔法…、永遠の命…、賢者の石…、)』
どれも現実的ではない。考えが纏まらなくてペンが進まないのでつい空白のスペースに錬丹術の陣を描く。もうずいぶん術を使っていないなぁと思った。
『錬丹術の使えない私って…。』
いったいなんだというのだろう。
そう考えるとなぜか無性に家に帰りたくなった。ついには身体もカウンターに倒してうつ伏せなる。
ちょっと疲れちゃったなぁ…。
軽い気持ちでうつ伏せになったつもりだった。
…だが私の記憶はそこで終わっていた。
寝るつもりなんてなかったのに。
次に目を覚ますと何故が自室の天井を見ていた。
* * *
「(明かり…。あいつ、また起きてんのか。)」
先に二階へ上がった黒鋼。
しばらくして水を飲みに降りると、いつかのように店内からほんのり明かりがもれていた。
中を覗くと案の定、##NAME1##がいた。
ただカウンターでうつ伏せになっていたが。
この距離でも動く気配がないということは。
「寝てんの、か?」
返事はない。黒鋼のただの独り言になってしまった。
さすがにこのままではと思い、一応起こしてみる。
「おい。起きろ。風邪ひくぞ。」
『すぅー…、』
「……。」
珍しいこともあるものだ。
ここまで揺らしても彼女は身動き一つしない。
よっぽど深い眠りについているようだ。
はぁ、とため息をひとつ。
結局黒鋼は前回の事も含めると一行全員を部屋に放り込むことになった。
##NAME1##の場合は酔っぱらっていたわけではないのだが。
手に持ったままのペンを取り上げ、そっと抱きかかえる。これで何度目だろうか。##NAME1##を抱えるのは。視線を下に向ければ安心しきった寝顔。…ちょっと口が開いているが。
思わず笑ってしまい、しまった起こしたかと思ったが目覚める気配は無く安堵して息を付く。
そのまま二階へ上がり、##NAME1##をベッドに下ろす。かける布団を探したが、モコナがぐるぐる巻きになって使ってしまい、なかったので仕方なく黒鋼は己の羽織りをかけてあげた。
##NAME1##を運び終わると黒鋼はそっと部屋の扉を閉じたのだった。
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