chapitre.7
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眉間にしわを寄せて考え込む##NAME1##と不安そうにするサクラを見てファイは心配させまいと笑顔を見せる。
「うちの鬼児狩り“ワンココンビ”は今頃、剣の訓練とやらかなー。きっとお腹空かして帰って来るだろうから、一緒に美味しいもの作ってあげようー。」
『「はい!」』
すこしだけ笑顔を取り戻した二人だった。
「さて、こんなものかなー」
買い込んだ荷物をドサッと下に下ろす。
ずいぶん買い込んでしまった。
こんなことならワンココンビに荷物持ちお願いすべきだったかとちょっと思ってしまった。
「お店で使うものは全部買ったー?」
「うん。お酒買ったらおっきいワンコに怒られちゃうしねー」
『ふふ、そうですね。』
お酒を買って帰ったらと想像するだけで黒鋼さんの不機嫌顔が目に浮かぶ。
「あとは小麦粉だねー。」
『それなら私、帰ったあとでもう一度市場に行ってきますよ。もうすぐお店も開ける時間になってきちゃうし。』
「でも重たいよー?」
『途中でワンココンビ捕まえますから大丈夫です。』
一行の一番の力自慢が鬼児狩りをしているから、二人を捕まえれば問題はないだろう。
それならば、とファイも了承してくれたので##NAME1##達もいったんお店兼家に帰ることに。
帰宅して、開店準備だけ手伝うと##NAME1##は店をファイとサクラ・モコナに任せ、再び出かける。
『それじゃ行ってきます!』
「いってらっしゃーい。気を付けてねー。」
『サクラ、ちょっとの間だけ頑張ってね!』
「うん!まかせて!」
サクラの気合の入った顔に##NAME1##は安心して店を出た。モコナもがんばるー、とカウンターで踊るモコナが見えた。
『わぁ…、綺麗な花…。』
街までの道。綺麗な桃色の花を咲かせた木々が並んでいた。最初にこの国に来た時もそうだったが花がたくさん咲いている、綺麗なところだなと思った。
風がそよそよと優しく吹き、花弁が舞い、お出かけ用にと下ろしていた##NAME1##の栗色の髪が風になびく。
歩くのを止め、桃色の花を咲かす木を見上げていた。その向こうから見知った人影がやって来るを##NAME1##は気づいていない。
「あいつ…、何やってんだ?」
新しく手に入れた刀・蒼氷を腰に差し、両手を袖に入れ腕組したまま歩いてきたのは黒鋼。
その先で桜を見上げる##NAME1##の姿を見つけた。
いつもならすぐ気づくであろうこの距離で自分に気づかないなんて、珍しいこともあるもんだ。
「なにしてる。」
『!、あ、黒鋼さん!』
振り向くなりこちらへ嬉しそうに走り寄る##NAME1##。いつも店で仕事をしている袴姿ではなく、ブラウスを中に来たワンピース姿だ。
『花を見てたんです。綺麗だなぁって。』
「桜、か。」
『さくらっていうんですか?』
「?おう。お前の国にはないのか。」
『似たような色の花ならあるんですがもっと背が低いんです。初めて見ました。こんなに綺麗な花は。』
「日本国にも…、」
『え?』
ポツリと呟いた。
聞き取れなかったので聞き返したがその先を話すのを彼は渋っているようで。
『気になります。教えてください。』
「…。日本国の白鷺城にもこの木がある。城の御神木だ。」
『そうなんですね。桜の御神木、かぁ。…いつか黒鋼さんの国にも行ってみたいですね。』
「…。」
だがその願いが叶う時は彼が帰ることを意味する。彼の旅の終わりだということを。
日本国には行ってみたい。それは本心。けれど彼が日本国へ帰ってしまうのはすこし寂しい。その気持ちも嘘ではない。矛盾した気持ちが胸の内で渦巻き、複雑な気持ちになった。
「で、お前ここでなにしてる。」
『あ。黒鋼さんと小狼を探してたんです。』
いけない。つい感傷に浸ってしまって本題を忘れていた。
「小僧ならまだ鍛錬中だ。」
『黒鋼さんは?帰るところですか?』
「いや。帰る前に寄りたい場所がある。」
『なら良かった!一緒に小麦粉買いに行くの手伝ってください!』
「使いっぱかよ!」
まさかのお使いに文句が出る黒鋼でした。
「ったく。さっさと行くぞ。」
『黒鋼さん市場はそっちじゃないですよ?』
「先にこっちの用事を済ませてからだ。」
『用事?どこ行くんですか?』
「この前の酒場だ。」
この前の酒場、といえば“白詰草”(クローバー)だ。
黒鋼とファイの二人で新種の鬼児についての情報を聞きに行った店。そういえば結局その時の話をちゃんと聞けてなかった。
「気になったことがある。」
『気になること…。』
新種の鬼児とは、それはそれは美しい人の姿をしていたという。
『美しい人の姿…。』
「どうした。」
『あ、いえ。…最近、視線を感じるんです。例の、やつじゃなく。本当にその場所から見られている視線。振り返るとすぐ消えて誰もいないんですが…。』
気になって、と呟く。
ジェイド国でエメロード姫から聞かされた“誰かがずっと見ている”という言葉。それとはまったく別物の視線。
その視線とやらも新種の鬼児となにか関係があるだろうか。
たどり着いた“白詰草”。扉にはまだcloseの看板。読めないがきっとまだ開店前なのだろう。扉は開いてたので黒鋼は遠慮なく店に入っていく。
『い、いいのかな…。勝手に入ったりして…。』
どきどきしながらも黒鋼のあとに付いていく。
すると来店に気づいたのか、カウンター奥から黒髪の女性が出てきてくれた。
私服姿だったが髪型と化粧をきっちり整えている様子から開店準備をしているところだったんだろう。
「まだお店は開いてないわ。…あら?あなたは…、」
「聞きたいことがある。」
艶やかな声。
この店のオーナーで歌姫だそう。
たしかに人を虜にさせてしまうような声の持ち主だな、と##NAME1##は思った。
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