chapitre.6
夢小説設定
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――……。
『――何か来る…、』
「え…?」
不穏な空気の乱れを感じた。
小狼が##NAME1##を見る。
それは龍王たちがそろそろ帰ろうと店のドアを開けようとした時だった。
モコナ、譲刃の犬、龍王の剣も一斉に反応を示す。
「モコナ?」
その反応がどういうことなのか、よく分かっていない小狼とサクラと##NAME1##。
しかし他の鬼児狩り四人はそれが何かすぐに分かったようで、「鬼児が来た!」と言って急いで店の外へ飛び出した。
小狼もそれを追って外へ出る。モコナを渡されたサクラと##NAME1##も急いで後を追った。
店の前に集まっていた数匹の鬼児を草薙、譲刃、蘇摩が慣れたように倒していく。すると、大きな唸り声を響かせ別の鬼児が姿を見せる。先ほどまでの鬼児の数倍の大きさだ。
「“イの四段階”ですね」
「みんな手出すなよ!」
龍王は目の前の鬼児が“イの四段階”だとわかるとはりきって剣を構えた。
「海龍波!!」
龍王の大きな一振りを直撃した鬼児。
仕留めたかと思った。がしかし、鬼児は形を変え、もう一度姿を見せる。
切ったはずなのに、液状のようになって空中で形成し始めるのだ。
その鬼児の段階ではありえないことだ。
「待て!妙だ!!“イの四段階”の鬼児は形態を変えない筈だぞ!!」
草薙が叫ぶ。鬼児はその間にもどんどん形を整えていき、そして人の顔のように気味悪くこちらを見てニタァと笑った。
そして鎌のようになった手を大きく振って龍王に襲い掛かる。
「龍王!!」
咄嗟の事で動けなかった龍王。
そこへ小狼が危機一髪で駆け付けた。先ほど会計で渡された龍王と蘇摩の“桜の札”で攻撃を防いだのだった。
「すまん油断した!」
「いや」
「しかし、どうなってんだ一体…!?」
次々と攻撃を仕掛けてくる鬼児。
ジャンプして避けた小狼にもう一撃が降ってくる。空中にいるため回避できず当たる!、と思ったとき、小狼の目の前に見慣れた背中が現れた。
『小狼!』
「##NAME1##さん!」
長棍で攻撃を防いだ##NAME1##。無事に着地し、小狼が体制を整えたところでまた攻撃が飛んでくる。
「小狼君!##NAME1##ちゃん!!」
玄関にいるサクラが叫ぶ。今にも駆け出しそうなサクラに譲刃が静止をかける。
「近寄っちゃだめ!!危ないわ!!」
「でも!!」
『サクラ大丈夫だから!そこにいて!』
またしても小狼を狙う鎌。##NAME1##が飛び掛かろうとしたした時、鬼児を追い払うように後ろから斬撃が飛んできた。
「海王陣!!!」
小狼は無事だったが彼は攻撃を防ぐだけで反撃がままならないでいた。またすぐに飛んでくる攻撃を避けながら龍王が叫ぶ。
「お前武器は!?」
「武器!?」
「“ロ”より上の鬼児は素手じゃ倒せないだろ!武器はどうした!?」
蹴り技で戦っていた小狼。
それにこれまで“ロ”以上の鬼児に会ったことがなかったため、武器が必要だなんてことは知らなかった。
当然武器など持っているはずもなく。
「鬼児が強すぎます!」
「手ぇ出すぞ!龍王!」
「仕方ねぇ!!」
このままでは埒が明かないと判断したほかの鬼児狩り達。
蘇摩と草薙の言葉に、龍王も撃破が難しいを感じたのかすぐに了承の返事を返す。
それからの彼らの行動は早かった。
統率の取れた連携プレイであっという間に鬼児を追い詰めていく。
「お嬢ちゃん!!」
「はい!!」
「龍王!!」
「おう!!」
合図とともに、四人で一斉に飛び掛かり、形態を変える暇も与えず、鬼児は消えていった。
「三人とも怪我は!?」
サクラとモコナが小狼と##NAME1##と龍王の元へか駆け寄る。##NAME1##は傷一つないが、それに対して二人は擦り傷でいっぱいだ。
「くっそー!くっそー!結局一人で倒せなかったー!!」
「龍王の実力とは関係ないよ。あの鬼児、ヘンだったもん。」
「咄嗟にこれを使って、鬼児の攻撃を受け止めてしまって…すみません。」
「市役所で再発行してもらえば大丈夫ですよ。それより、龍王を助けて下さって有り難う御座いました。」
割れてしまった「桜の札」を差し出す小狼。
蘇摩はそれを受け取ると、優しく笑って相方を助けてくれたお礼を述べる。後ろの方では、サクラが龍王の傷に消毒液を掛け、龍王が痛い痛いと叫んでいた。
「やっぱりここの所妙だぞ。この国は…」
『……。』
眉をひそめる草薙。呟かれたその言葉に##NAME1##も顔をしかめる。
形態を変えない段階の鬼児が形態を変えた。
そして先ほど話に上がった“新種の鬼児”。
##NAME1##はサクラの羽根が影響を与えているのかと考えが脳裏を過る。そして未だ解明できない龍脈が感じないこの世界の真実。気配のない鬼児という物の存在。
自然な状態でこんなことがある筈ない…。
「……右からの攻撃にまだ弱いんだな。小狼…。」
##NAME1##は、ハッとして顔を上げた。
目の前の電柱の上。先ほど感じた気配と同じ気配。しかしそこにはやはり誰もいない。気配も一瞬で消え、勘違いだったのかと思うほどだ。けれど##NAME1##は、絶対に誰かがいたと確信めいたものを感じていた。
『(…誰かが見ていた…、?)』
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