chapitre.6
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
着替え終えたサクラ。小狼におかしくはないかと尋ねていたが、その小狼は首をふるふると振った。
心なしか頬が染まっているのが見える。
「小狼君も一緒に?」
「いえ、おれは黒鋼さんと別の仕事を」
背後で黒鋼が力仕事を頼まれていた。
「怪我とかしないように、気をつけてね。」
「――はい。」
『あ!』
サクラの“怪我”というフレーズに##NAME1##は忘れていたことを思い出す。
突然声をあげるものだからみんなが彼女を注目する。
「どうしたのー?」
『怪我、で思い出したんです。』
##NAME1##は小狼の方を見る。
『私今、錬丹術が使えないから!』
「「「――!!」」」
すでに知っていた黒鋼を除き三人は驚く。
「術が使えないなんてことがあるの?」
とファイ。
『私にもよくわからないんです。ただこの国には錬丹術を使うために必要な龍脈がないんです。…だから小狼!』
「は、はいっ。」
##NAME1##の気迫に思わず身構える。
『この国にいる間は怪我しても私応急処置出来ないからね!本当に大怪我だけは勘弁してね!』
力強く、くぎを刺された小狼。こくこくと首が取れそうなくらい頷くしかなかった。
めきょ。
モコナが突然目を見開いた。
すると口から食べ物が送られてきて、テーブルの上に並んだ。
「なになにー?」
「侑子から。」
「ひょっとして差し入れー?」
「あの魔女がただで差し入れなんかするか」
彼はあの次元の魔女さんのことをなんだとおもってるのだろう。はたまた対価として取られた刀・銀龍のことを根に持っているのか。…おそらく後者だ。
全く信用していないのか黒鋼は疑っていた。
『なにその黒いの。』
##NAME1##は見たことがない食べ物だ。
そもそも食べ物かこれ。
見覚えがあるモコナはポンッと手を叩く。
「これ、フォンダンショコラだ!中にチョコが入っててね、あっためて食べるの!」
「へー、ちょうどいいから皆で食べよー」
ちょうどお茶も入ったので貰ったフォンダンショコラを皆で食べる事にした。
黒鋼は自分は食べないと意地を張っていたのだが…。
「えいっ!」
「(パクン)」
ファイは何も言わずに隙をみて黒鋼の口の中へと突っ込んでしまう。
「何しやがる!!」
「黒鋼食べちゃった!侑子に言おうーっと!」
「なんだとー!」
『はぁ…。』
おやつひとつ静かに食べられないものかと##NAME1##はため息を付くのだった。
そして、その夜――。
鬼狩りコンビは、主に夜活動するという“鬼”を狩りに出かけて行った。
その間、##NAME1##達は明日のカフェオープンに向けて作業をする。
床ではファイが黒猫の顔を書いた看板を手作りしているところだ。
するとチリーン!と慌ただしく黒鋼とその後ろから気まずそうに小狼が帰宅する。
黒鋼はファイを見つけるとガルル…ッと噛みつくように吠える。
「てっめーー!!」
黒鋼が怒っていても全く気にしていないファイはいつもの笑顔でおかえりー、と一声。
そんな二人の様子を見ていた小狼とサクラは焦り、##NAME1##は呆れていた。
あの様子だときっとまたファイが黒鋼の癇に障ることをしたのだろう。
「よくも…、妙な名前をつけてくれやがったな!」
『…名前って?』
いったい黒鋼が何に対して怒っているのか分からない##NAME1##は首を傾げながらファイを見る。
名前、という事でファイはあーっと思い出したように話し出す。
「市役所の子が偽名でもいいって言うからさー。でも、この国の字分かんなくてー、これ描いてー」
ファイは白紙にすらすらと描いた何かを見せる。
1枚には黒くて大きな犬と白くて小さな犬が描かれていた。
「名前は“おっきいワンコ”と“ちっこいわんこ”にしてもらいましたー」
そしてもう1枚の紙にも何かを描く。
「で、オレはコレでー、サクラちゃんはコレー。
“おっきいニャンコ”と“ちっこいにゃんこ”でーす」
だから、カフェの看板も猫にしたんだー、と嬉しそうに語るファイ。が一人忘れている。
『ファイさん私はー?』
「##NAME1##ちゃんはねー」
ファイはわんこが描かれた紙の二匹の真ん中に追加して描いた。
ちっこいわんこより少し大きめの立ち耳のしっぽを元気よく、くるんと巻いた茶色の犬。
「名付けてー“お姉さんわんこ”でーす!かわいいでしょう。」
『いや、絵はかわいいけど。まだその設定引っ張るの。』
小狼の姉というのはジェイド国の時の緊急時の設定だった。ファイの中ではまだその肩書が残っているようで。
すっかり小狼のお姉さん設定が定着してしまった。
「…そのワケ分かんねぇ事しか考えねぇ頭ん中、カチ割って綺麗に洗ってやる!」
刀を抜いた黒鋼はファイに向かって襲い掛かる。ファイも斬られたくはないのでふざけながら店内を逃げ回った。
「きゃー、おっきいワンコが怒ったー。」
店の中で二人が大暴れをする中、小狼とサクラ、##NAME1##はただ見守るしかなく。というか半分呆れ、という気持ちもあるのだが。
すると店のドアから男女の二人組と1匹の犬が入ってきた。
.