chapitre.6
夢小説設定
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初めて小狼が戦うのを見た阪神共和国での時は巧断とかいうのを使っていた。
あれは精神的で操るもの。目が見えていようが、いまいが関係無い。
その次の国、高麗国。
あそこに着いた途端、領主の息子とやらに姫が腕を引っ張られたときがあった。
あの時の小狼はそれを全く見ずに反応してみせた。
あの息子は本気で姫を痛めつけようとしていた。殺気とでも言えばいいのか、放っておけば持ってた鞭でも振るうつもりだったはずだ。
小狼は見えないからこそ、その殺気に反応して先手を打って息子を吹っ飛ばした。
そして昨日の鬼児。攻撃を交わすなか、右からの攻撃への反応が僅かだが遅かった――。
黒鋼の観察力は凄まじいものだった。
そこまで小狼の事を見抜いていたのか、と。
「もっと強い鬼児相手だと怪我するだけじゃ済まねぇぞ」
彼にはやるべきことがある。だが此処で大事に至ってしまっては元も子もない。ならそれは避けるべきことだ。言い方はぶっきらぼうだが黒鋼なりの優しさだった。
黒鋼の話を理解したうえで小狼は、それでも真剣な眼差しで彼を見上げる。
「…出来るだけ迷惑をかけないようにします。お願いします。」
頭を下げる小狼の姿にファイは笑いながら話しかける。
「おっけーだよね、黒様ー」
「…ふん」
「ありがとうございますっ。」
こうして黒鋼と小狼は二人で鬼児狩りをする事に決まった。
しかしそれを羨む人物ももちろんいる。
『いいなぁ小狼…。私も黒鋼さんと鬼狩りしたかったなー。』
「鬼狩りって一行のチームに一組だけっていう決まりなんだってー。だから##NAME1##ちゃんはおれとサクラちゃんとで“カフェ”やろうよー。」
『“カフェ”ってなんです?』
「んーと、お客さんに飲み物出したり、甘いお菓子を出したりするお仕事…ていうのかな?」
ファイの説明に##NAME1##は目を輝かせた。
意外な反応にファイは少しびっくりする。
『甘味処っというやつですね!ぜひ!やりたいです!』
「よかったー。##NAME1##ちゃん嬉しいんだけど腕を握られるとちょっと痛いんだけどー」
『あ、ごめんなさい!』
興奮のあまりついファイの腕を掴んで離さない##NAME1##。掴まれた力が強かったのか腕がちょっと痛かった。
元居た国で##NAME1##は町の食堂のような場所で手伝いをしたこともあったので、またそういうことをやりたいな、と思っていた。
「黒様との鬼狩りを小狼君に譲る代わりにー」
「おれの方でも不老不死の法について調べてみます。なにか手掛かりになりそうなことがあれば##NAME1##さんに知らせますね。」
『…いいの?』
「はい。」
『でも小狼、羽根を探さなきゃ…』
「はい。羽根も探します。それと同時に不老不死の法についても調べてみます。…大丈夫です。ちゃんと時と場合はわきまえますから。」
それは最初、##NAME1##が小狼に言った言葉だ。
出来ることがあるのなら手伝いたい。
でも時と場合はちゃんとわきまえる、と。
優先すべきは己の願いだ。
でも手伝えることがあるのなら、旅をともにする仲間の力になりたい。
思わず目がうるっとなった。
##NAME1##は思わず小狼に飛び込むように抱き着く。予期せぬ衝撃に小狼は倒れそうになった。
『ありがとうー小狼!ほんっとにいい子だねー!ありがとうー!!』
「あ、あの、は、はい…。」
「小僧が困ってるだろうが。いい加減離してやれ。」
黒鋼に猫のように首根っこを掴まれる。
突然の抱擁に戸惑う小狼。##NAME1##は感極まって思わず彼に抱き着いてしまったが決して下心はない。誓って。(誰に?)
黒鋼と小狼は二人で鬼児狩りを、ファイと##NAME1##とまだ眠っているサクラとでカフェをする事に決まった。
「はい、これが##NAME1##ちゃんの服ね」
『ありがとうございます。』
ファイから受け取ったこの国での服。
ファイや小狼の洋服とは違い、黒鋼と似たような袴服で、下がスカートのようになっている。
以前に着たドレスやひらひらしたスカートに比べたらまだ我慢できる範囲だ。
戻って来た彼女の姿を見たファイは笑いながら近うんうんと頷く。
「よく似合うよー」
『ありがとう。』
似合うと言われ、##NAME1##は照れ臭そうに微笑む。
この国の服に着替え終えた彼女達は、さっそくカフェの仕事の開店準備をしていた。
しばらくして紅茶の香りが漂う。その香りに誘われて眠っていたさくらが目を覚ます。
「目が覚めましたか?」
「はい、あの、これ…」
眠りに付いた時とずいぶん違う家の雰囲気にさくらは戸惑った。
そんな彼女にファイが説明する。
「昨日、鬼児を倒して市役所で貰ったお金で用意したんだよー。服もこの国のに着替えたんだぁ。」
ファイの格好はウェイターの格好、小狼は学ラン姿に。
「でも、黒るんと##NAME1##ちゃんのそれ、どう着るのかさっぱり分かんなかったよ―――。」
「こりゃ袴だろう。」
『ちょっと違うけど私の国の服と、ほとんどかわらないかなぁ。』
「お二人の国も、そういった服装なんですか?」
「まあ、近い感じではあるな。で、お前のそりゃ何だ」
「オレの仕事。言ったらこういう服がいいって教えてくれたんだよー。
あのね、オレ、ここで喫茶店(カフェ)やろうと思ってー、お客さんから色んな情報が聞けるって市役所の子も言ってたしー」
「モコナもそれするのー!」
「ってことでサクラちゃんもオレと##NAME1##ちゃんと一緒にカフェやろうよー」
「はいっ。頑張ります!」
という事で、##NAME1##とサクラはファイとモコナと一緒に、ここでカフェをする事となった。
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