chapitre.5
夢小説設定
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ふらぁ。
「お、おいっ。」
限界だったのか##NAME1##の身体が足元から崩れ、倒れていく。
傍にいた黒鋼が慌てて倒れる##NAME1##を支えた。
その身体はとても熱い。
「##NAME1##ちゃんやっぱり無理してたんだねぇ。」
「…ったく。だから大人しく宿で待ってろっつったんだ。」
「どーしてもカイル先生の事、“殴りたかった”のかなぁ。黒ぷーよろしくー。」
ちっ、と悪態付きながらこの国に来てから何度目か黒鋼が##NAME1##を抱える。
羽根が戻り、再び眠りについたサクラとともに小狼達も宿へと戻った。
町に子供達が帰ってきた。
涙を流しながら再会を喜ぶ親と子。
その様子を宿の窓からそっと見ていた。
「みんな嬉しそう!」
とモコナ。
「カイル先生は子供達を傷つけたりはしなかったみたいだねぇ」
「羽根を掘り出す為の労働力だからな。わざわざ怪我させたりはしねぇだろ」
モコナは嬉しそうにぴょんっとベッドで上体だけ起こす##NAME1##へ飛び乗る。ほんの少し前に目を覚ましたのだ。
顔色もすっかり良くなったのかいつもの彼女に戻っている。
「しかし、カイル先生が催眠術を使ってたとはねぇ。でも、サクラちゃんが見たっていうエメロード姫は何だったんだろ?羽根の力?」
ファイがずっと疑問に思っていうた事を口にした。
「おそらくは、エメロード姫の霊、のようなものだと思います」
小狼は玖楼国での生活の事を思い出す。
「サクラ姫は小さい頃から死んだ筈の人や生き物を視たり、話す事が出来たそうです」
『へぇ~。霊感が強いんだ。』
「お前の国でもそういうのか。」
顔を覗くように尋ねた黒鋼に##NAME1##は、はい。と答えた。
「玖楼国の人って、皆そうなのー?」
「いいえ。おれが知る限り、今は神官様とサクラ姫だけです」
小狼と黒鋼は視る事は出来ず、ファイ自身もその力は持っていない。
「##NAME1##ちゃんはどう?」
『私も見えません。霊や魂は龍脈とは全く別物ですし…、』
「幽霊だったらモコナ見えないし、感じない。」
「そうなんだー」
「幽霊とか視えるのは黒くて青いお耳飾りのモコナなの!」
『あの子も“モコナ”っていうんだ?』
「なんかいたな。黒いまんじゅうみたいなのが。」
次元の魔女の店で見た、もうひとりのモコナの姿が思い浮かぶ。黒鋼からしたら結局“まんじゅう”なのかと思うと##NAME1##はくすっと笑うのだった。
あげく、役に立たねぇな白まんじゅうは。などというもんだからモコナはぷりぷり怒ってしまう。
「モコナ頑張ったもん!」
わーわー騒いでいると、今まで眠っていたサクラが目を覚ました。
「大丈夫ですか?」
「ずっと…、誰かが視てる…って、どういう事…?」
小狼の問いかけに答えることなく、ポツリと話す。
おそらくサクラにしか見えなかったエメロード姫が最後に残した言葉なのだろう。
「姫?」
小狼は不思議に思うが、サクラは小狼の服を握る。
「もう一度、エメロード姫に会わなきゃ…!」
もう一度エメロード姫に会いたいと願うサクラ。
羽根を手に入れた今、この町に長居は無用。
小狼達は宿を引き払い、ついでに旅支度をしてからもう一度会う為、エメロード姫がいるかもしれない城の近くをサクラは探し始める。
「エメロード姫…、どこにもいない…」
「前に侑子言ってた。心配な事がなくなったら霊はどこかへいくんだって」
「成仏するってことか。」
「よっぽど子供達のことが心配だったんだねぇ。金の髪のお姫様。」
『300年経ってもずっと城に残り続けてたんですね。どうか安らかに眠れますように…。』
結果エメロード姫にはもう会えない。
だが、小狼は問題がもう一つあるという。
「カイル先生はどうしてあの城の地下に羽根があると知ったのでしょう。」
「本にあったとかじゃねぇのか。」
と黒鋼。
小狼は首を振った。
「グロサムさんに聞きました。羽根がエメロード姫が亡くなった後どこにあるか書かれた本はどこにもないそうです。それにそんな伝承もない、と。」
『つまり、第三者がいるってこと?カイル先生のほかにも。』
「この旅にちょっかいかけてるのが、いるってことかー。」
「“誰か”が――。」
『―――っ!!』
はっと振り返る##NAME1##。
その様子に黒鋼は、どうした。と聞く。
『今、誰かに―、』
見られてた――?
彼にしか聞こえない声量で話す。
しかし彼はあまり驚いた様子はなく。ただ黙って##NAME1##が視線を感じた方向を睨んでいた。
ジェイド国編 Fin。To Be Continued.
2022/04/11
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