chapitre.5
夢小説設定
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「金の髪の姫!!」
やはり##NAME1##にはなにも見えない。
見えないが複数の歩く音に気付いた。
それは…、
『あれは子供達!?でも様子が…っ』
「連れて行かれちゃう!!」
『サクラ!!』
金の髪のお姫様に導かれるように歩く子供達。
どこか目が虚ろで。
見失ってしまうとサクラが窓から木を伝い降りて行く。
小狼達に知らせなければ!
でもその間にサクラと子供達を見失ってしまう。
なにか手掛かりを…っ、と考え付いたのが服の袖を使うことだった。
伝い降りた木に小さく破いた服の切れ端を結びつける。
これで自らの意志で追った、と気づいてくれればいいのだが。
『この方向は、やっぱりお城…!?』
昼間歩いた道をもう一度通る。
一足先に子供達を追うサクラを追いかけながら、その道中にも破いた服の切れ端や、城の手前に着くころには靴も脱ぎ捨てていた。
『サクラ!』
「##NAME1##ちゃんっ」
城の手前の木の陰に隠れていたサクラ。
それに習って##NAME1##も身を隠す。
すると荒々しかった川の流れが収まり、子供達が川に向かって走っていく。
落ちる!と思った。
「え?水の上を歩いてる…!」
『どういうこと?』
驚くことに子供達は川を歩いているではないか。
##NAME1##達が驚いている間も次々と渡り、城の方へと行ってしまった。
そんな時だった。サクラの身体が徐々に傾いていくのだ。
『え、サクラ!?』
「だめ…、今、眠っちゃ…」
『サクラ!起きて!サクラ!』
##NAME1##ちゃんの呼ぶ声が聞こえる…。
起きなきゃいけない、のに…。
目が、開かない…。
そこでサクラの意識が途切れしまう。
これはまずい…っ!非常にまずいっ!
##NAME1##は焦っていた。
消えた子供達。
眠ってしまったサクラ。
どうすればいいのか。
考えろ、考えろ、考えろ―!
『だめだ…っ。どうしたら…、』
だから気づかなかった。
雪も降っていたので背後に忍び寄る気配に。
降り積もる雪が気配と足音を消してしまったから。
『――…っ!』
ガ――ッ!!
振り返ると同時に頭部に激しい衝撃。
血が雪や、傍の木に飛び散った。
『あ、あなた、は…ッ』
「運がなかったな。お前はここで死んでもらう。」
『何が医者よ…、この、やぶ、医者め…、』
そこで##NAME1##の意識も途切れてしまった。
暗闇に落ちる意識の中。
これはまずい、とそればかり考えていた。
そして何度も小狼に謝った。
ごめん、小狼…。ごめん…っ。
* * *
朝になったのに女性組が部屋から出てこない。
ファイがノックをするも反応なし。
サクラ一人ならともかく##NAME1##なら気づくはず、と思ったのだが。
「サクラちゃん、##NAME1##ちゃーんおはよー」
もう一度声をかける。
しかし返事はない。
「まだ寝ちゃってるのかな?」
「姫はともかく、少なくとも皇女の方は気配に敏い。声を掛けて起きねぇなんてあるか。」
黒鋼が険しい顔で言うと三人は遠慮がちに部屋に入った。
案の定もぬけの殻、だ。
「##NAME1##とサクラいない!」
それと同時に、余所者達を出せ!と自警団の男達が乗り込んできた。
カイルの制止を振り切って銃を持った男達が廊下までやってくる。
「また子供達が消えた!七人もだ!」
「その方達は昨夜も外には出てらっしゃいません!」
するとさくらと##NAME1##の姿が見えない事に気付く。
「女二人はどうした!?」
「部屋にいないんです」
「なんですって!?」
「いなくなったのに気付かなかったじゃないか!先生!」
「まさか、サクラさん達まで…っ」
「いいや。」
自警団のリーダーが小狼達を睨んだ。
「あの娘達が子供達をどこかへ連れて行ったのかもしれない!」
怒鳴ることはないが、小狼の表情が静かな怒りを表した。
「金の髪の姫を見たなんて有りもしないことを言って、伝説のせいにして子供達をさらったんだろう!」
―ジャキ!
感情に任せ、リーダーが猟銃を小狼に向けた。が…、
ガ―ッ!
「うわっ!」
向けられた銃を小狼が蹴り上げられ宙を舞い、
くるくると回りそれは黒鋼の元へ。
ダン!
黒鋼は猟銃を掴むなり、目にも留まらぬ速さでリーダーを床に押さえつけ銃を頭部に当てた。
実戦の中で生き抜いてきた黒鋼は躊躇うことなく武器を向ける。
彼にとって一瞬の迷いが命取りだということを知っているから。だからこそ感情に任せて武器を向けた相手にも容赦しない。
殺意こそはないがいまにも引き金を引いてしまいそうな目で彼らに問う。
「武器向けんなら死んでも文句ねぇんだろうな。」
「ひゅー。黒さま素敵すぎー。」
「放せ!くそー!!」
じたばたと押さえつける拘束から逃れようとするが黒鋼がそう簡単に離すはずもない。
小狼は冷静に誤解を解こうと説得する。
「おれ達は子供達が消えたことには無関係です。」
「って言ってもー信じてもらえないかなぁ。」
「当たり前だ!子供達が見付かるまでおまえ達が一番あやしいことに変わりはない。」
自分の状況が分かっていないのか、押さえられ続けているにも関わらず、リーダーは強気だ。
「探します。子供達が何故、そして何処へ消えたのか。」
小狼は拳にグッと力を込めた。
「それにおれの大切な人達も。」
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