ACT.10
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回廊の手摺に近寄り、下を覗いた。
何も聞こえないのに、呻き声のようなものが直接心に響いてくるようだった。
そんなアルフィナにバッシュが気にかける。
「平気か?」
『はい…。』
一度バッシュを見たが、また下を見つめた。
「暁の断片じゃないのか?」
『多分違う…。』
同じく隣に並んでバルフレアが聞いてきたが、アルフィナは首を横に振った。下を見るフリをしてバルフレアは横目で彼女を見つめた。
『……。』
いつもと違う、真剣な顔。違った一面を垣間見たバルフレアは一瞬心臓が激しく脈打った気がした。
行くか、とバルフレアは誤魔化すようにアルフィナ達を先に促した。それに頷き、アルフィナは彼の後に続く。
入り組んだ回廊の階段をひたすら下る。ミストは濃いのに、魔物が一匹も出てこない事をフランに言ったが、さっき倒したゾンビ達のような、レベルが低い魔物では濃密なミストには耐えられないのだとフランは言う。なるほど、と納得しながら階段を降りていると、最下層にたどり着く。
そこでアルフィナは足を止めた。
「##NAME3##?」
ヴァンが声を掛ける。
『……。』
「こいつの事か…」
静かにバルフレアは呟いた。アルフィナの無言がそうだ、と言っている。
突き当たりの扉に立ち塞がるようにいる何か。見たところ石像か何かかと思ったが、それから放たれる気配は決して飾りなどではなく。
ただ者ではないと皆がそう感じた。
燃え盛る炎のような赤い体は周囲の気温まで一気に上げた。
山羊のような角を持ち、目の前の扉よりも大きな巨体、そしてその巨体と等身大の槍。魔人は巨大な槍を振り上げ、けたたましい声を辺りに響かせた。
アルフィナ達は一斉に武器を構え、魔人を迎え打つ。
ライブラにより弱点が水属性だと分かると、パンネロとフランがウォータの魔法を浴びせた。
アクアパレットを弾倉に込めたバルフレアの援護射撃を背にアルフィナ、ヴァン、バッシュにウォースラ。そしてアーシェが剣を持って魔人に斬り掛かる。
魔法が効いたのか、魔人は体を捻り、唸り声を上げた。
そして、隙が出来た所へアルフィナ達がさらに剣を振るう。
すると魔人は標的を1人に向けた。
『パンネロ!』
標的はパンネロだった。アルフィナが真っ先に気づき、パンネロを後退させる。魔人が振り上げた槍を変わりに受け止めた。
──‐ガキィン!
『─…くっ…!』
金属同士がぶつかり合う。魔人の異常なパワーに腕が痺れた。それだけじゃない…なんと受け止めたダガーが高温により溶け出したのだ。
徐々に変形していくダガーをアルフィナは咄嗟に手放した。
押し潰されそうな魔人の一撃を辛うじて避けるが、さらに追い討ちがかかる。
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