ACT.10
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「……ぷっ」
沈黙が続く中、それを壊すかのようにバルフレアが吹いた。
それに伝染したように続いてヴァン、パンネロも笑い転げた。
『……。なんでそこで笑うかな』
「くくっ…、そりゃ笑うなって方が難しいなっ」
「やりすぎたって…、もう最高っ」
「ホント!アルすごかったよ!」
と、上からバルフレア、ヴァン、パンネロ。
心なしか、アーシェ達も口元が緩んでいるようだった。
多分誉められてるんだろうけど、なんか複雑。
その空気を変えようとアルフィナは魔法の師であるフランに振った。
『フラン見た!?、見た見た見た!?』
「言いすぎ。…えぇ、見ていたわ。」
すごいじゃない。と頭を撫でてくれたフラン。そう!これだよこれ!
『今なら私どんな魔法でも出来そうな気がするよ!』
「調子に乗らないの」
『はい…。』
興奮気味だったテンションがフランの一喝で平常値に戻ってしまう。
まぁ、機会はいくらでもある!のんびり進もうじゃないか!
『さぁ進もう!』
「ったく…、元気だなお前は」
『元気だけが取り柄ですから』
羨ましいぜ、とボヤくバルフレアに「年寄りくさい」、と言えばお約束。デコビンをいただいたアルフィナだった。
そのすれ違い際、
「もっと良い所もあるさ」
、と耳元で囁かれた──…。
『え…、』
進んだ先にまたあの装置があった。触れて、飛ばされた先は巨大な空間に階段が下層に向かって設けられていた。
ウォースラは感嘆のため息をこぼす。
「眠っているわ。地下の奥深くで」
「お分かりになるのですか。」
そう呟いたアーシェの言葉にウォースラは驚く。
そんなウォースラにアーシェは「─呼ばれている気がする」と返した。
その様子を横目に見ていたヴァンが隣のアルフィナに尋ねた。
「アルにも分かるのか?──アル?」
『……。』
しかしアルは何も答えなかった。地下から漂う気配に、無意識に歩を進める。ヴァンがもう一度呼ぶと、ようやく返す、
『いる…、』
と。
「アル?」
「どうした?」
アルフィナの異変に気づいたバッシュが心配し、声をかけた。
『…泣いてる…、苦しいって…』
「…?」
バッシュとヴァンは顔を見合わせた。すると2人の側にアーシェがやってきた。
「殿下、」
「静かに。」
訊きたげなバッシュをアーシェは遮る。
「なぁ、アルのやつどうしたんだよ」
「“声”を聞いているのよ」
「“声”?」
えぇ、と視線はアルフィナのままアーシェは頷いた。
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