ACT.10
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えぇ!?、とアルフィナが驚いてる間にもバルフレア達が弱ったガルーダに総攻撃をしかけ、あっという間に撃退した。
「アル大丈夫?」
『ちょっといろんな意味で衝撃が…』
パンネロが優しく声をかけたがアルフィナの視線はあちこちとさ迷っていた。
いや、半分は恥ずかしくてバッシュの顔が見れないのだろう。その本人はなんとも思ってないのか、気にした様子は見られず。
地面に座ったままでいると、バルフレアが手を差し出してきたのでその手を掴み立ち上がる。
「だから下がってろっていったろ」
『私には一生無理な事ね』
「お前なぁ…」
『バルフレアだって、もう分かってるでしょ?』
「何がだよ」、と両手を腰に当ててアルフィナを見る。
『私の性格』
「──‐!…当たり前だ」
ふっ、と頬が緩まった気がしたのが自分でもわかった。
彼女は負けず嫌いで女性扱いを嫌う。しっかりしているのにどこか抜けていて放っておけない。自分の信念を真っ直ぐ貫こうとする頑固物。そんな彼女を俺は……、……───
…俺は──?
強敵ガルーダを撃退した一行はレイスウォール王墓の入り口にたどり着く。
「往古、神々に愛されしレイスウォール王は──バレンディアからオーダリアの両大陸にまたがる広大な領域を一代で平定し──ガルテア連邦を打ち立てました。」
入り口に続く長い階段をゆっくりと昇りながらアーシェが静かに語る。その言葉通り王墓に当時の光景がまざまざと蘇ってくるようで…。
「覇王と呼ばれていますが連邦樹立後のレイスウォール王は民を愛し、無用な戦を憎み、その精神は後継者にも受け継がれ、平和と繁栄が数百年もの間続いたのです。
アルケイディアもロザリアもその源流はガルテア連邦に属していた都市国家であり、レイスウォール王が築いた平和の中で生まれ育ったようなものです。」
アーシェは王墓を見上げた。
アーシェの祖先が眠るこの地。果たしてレイスウォール王はアーシェに“力”を与えてくれるだろうか。
「レイスウォール王は覇王の血統となる3つの遺産を残しました。その内《夜光の砕片》は後のナブラディア王家に渡り、《黄昏の破片》はダルマスカを建国した我が祖父へ。
最後の1つ、《暁の断片》はここに封じられて、その存在は王族にのみ伝えられてきたのです。」
「覇王は今日の事態を見越しておられたのでしょう」
一段上を登っていたウォースラがアーシェに振り返って言った。
「代々の王のみに許された場所ですから、証を持たない者が立ち入れば───」
『“立ち入れば──”…?』
「生きて帰れる保証はなし」
アーシェの言葉を継いで言ったバルフレアは恐れなしに階段を上がっていく。
「墓守の怪物やら悪趣味な罠やら──そんなところか、」
『いつもの事じゃないの?』
からかい半分に言えばバルフレアは「さぁな。」と肩をすくめて見せた。
「その先に眠っているのです。暁の断片も、覇王の財宝も───」
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