ACT.10
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小声で反対の声を出す。おかげで誰も耳には届いてないようだ。
ここは将軍に頼んでみるか。アルフィナはどうしてもイクシロの実を使いたかった。恥を忍んでたのんできたエンサ族が命に替えてくれた物だ。
レイスウォール王墓を目指す自分達と出会えた事にはきっと意味があるのだと思いたい。
『アズラス将軍。』
「…くっ!…なんだっ」
ガルーダの攻撃を剣で防ぐウォースラの元にアルフィナは駆け寄った。
表情から、かなり苦戦しているように見える。
『考えがあります。私を空に上げて下さい!』
「─な、なんだと!?」
あまりの爆弾発言に思わず視線をガルーダからアルフィナに替えた。
目が合い、真剣なんだと思わされる。
『お願いします』
「…タイミングを外せば格好の的だぞ」
『そこは、…ほらっ将軍がなんとかしてくださるでしょう?』
「――っ、」
緊張感のないおちゃらけた彼女の雰囲気にウォースラもお手上げのようだった。
一言、「いいだろう」、と言い何故かバッシュを呼んだ。
「手を貸せ、ガルーダの気をそらせてくれ」
「なにをする気だ?」
「さぁな。だが“信じて”みるか」
肩をすくめて見せたウォースラにバッシュもふっ、と笑みを見せた。
たったそれだけの会話で通じたのだとすればそこは、さすが長年共に戦ってきた戦友。
アルフィナ達には理解出来ない“何か”があるのだろう。
「行くぞ、準備はいいな?」
アルフィナは力強く頷く。
それを合図にバッシュは駆け出し、ガルーダの気を引きつけ始める。
ガルーダは大技をバッシュに食らわそうとしていた。今だ!そう思ったアルフィナはウォースラに目で合図をし、それに頷いた彼はぐっ、とアルフィナと腕を組み、遠心力を利用して勢い良く空中へ振り投げた。
「うぉお!」
『…っ!』
人1人放り投げるほどのパワーを持っているところ、流石将軍だ。ガルーダが気づいた時には目の前までアルフィナが来ていた。
正面を向いたガルーダの嘴を掴むと、強引にこじ開けてイクシロの実を無理矢理押し込んだ。ゴクンと飲み込む音がする。
すると、実を飲み込んだ途端ガルーダがさらに暴れ出した。高度をまともに保っていられないくらい身体を激しく揺らせる。
『うわったっ!』
視界がぐわんぐわん揺れる。
嘴から離れた手はガルーダの長い首にしがみついた。
これでは攻撃が出来ない。
なおも激しく暴れるガルーダには何分もしがみついてはいられなかった。ガルーダが鞭をしならせるように首を振った反動でついに手を離してしまう。下に広がる地面に衝撃を覚悟した。
ぶつかる──!
──‐‐…ドサッ!
「…っ!」
『…っうぇ!』
地面への落下を想像したが、地面とは違った衝撃を受けた。
「まったく…、相変わらず無茶をするな、君は」
『…ってて、…バ、バッシュ小父様!?』
えぇえ!?なんでこうなるの!?
開いた口が閉まらない。地面と衝突は避けられたかわりにバッシュが受け止めてくれたのである。
ある意味、心臓に悪い。
そもそもガルーダに飛んでイクシロの実に食わせるという無謀なことをしようとしたアルフィナが悪いのだが。
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