ACT.10
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「手強いぞ!」
剣を構えながらバッシュが言った。ガルーダは飛行タイプであるため、遠距離攻撃が出来ないアルフィナやヴァンにはツラい相手だった。
バルフレア、フラン、バッシュにウォースラが遠距離攻撃を食らわし、アーシェとパンネロが魔法で攻撃をする。
…私めっちゃ足手まといかも…。
アルフィナは心の中で涙をポロリと流した。
そんな時、アルフィナはふと思い出す。
それはオルグ・エンサからナム・エンサに入るところで起きた出来事だ。
一匹のエンサ族がアルフィナ達に天敵である魔物─ウルタン・イーター─という大きな亀を倒してほしいと言ってきたのだ。ちょうどアルフィナ達の行く先にいたこともあり、難なく倒した。
すると喜んだそのエンサ族はお礼に“大砂海の秘宝”をくれると言った。駆け出したエンサ族の後を追うと、その先でエンサ族の集会が行われていた。
あまりよくない雰囲気に一行も焦りを見せた。
すると、魔物を倒してほしいと言ってきたエンサ族が目の前で長(おさ)であろうエンサ族に殺されてしまったのだ。
これにはアルフィナも言葉が出なかった。
長は、どんな理由があろうとも人間の力を借りる事をよく思わなかったのである。一族の掟を破る行為だと。
だが、天敵であるウルタン・イーターを倒してくれたことには感謝する、と言い残し彼らはその場を去って行った。
エンサ族が立ち去ったあと、燃えたエンサ族の焼け焦げた跡から芽が出て、やがて花を咲かせ一つの実をならせた。
聞けば、レイスウォール王墓を守る怪鳥ガルーダはその“イクシロの実”が嫌いなんだとか。
なんとも複雑な気分でアルフィナはその実を手に取った。
これが“大砂海の秘宝”だろう、と思いながら…。
『……。』
複雑な気持ちでイクシロの実を見つめる。ごめんね、使わせてもらうよ。
目線を手のひらの実から暴れる怪鳥ガルーダに向ける。
「アル!?」
ヴァンが驚いて声を上げるよりも先にアルフィナがガルーダに向かって駆け出した。前線で戦うバルフレア達の間をすり抜けて、1人ガルーダに突っ込んでいったのである。
「なっ、バカ!お前──」
『…っぁあ!!』
引き止めるバルフレアの手をもすり抜けていったアルフィナの手に握られていたイクシロの実にバッシュは気づいた。
勢い良く飛び上がる。
だが相手は空を飛ぶのが得意だ。向かってくるアルフィナにガルーダは甲高い鳴き声で叫ぶと、その大きな翼でアルフィナを吹き飛ばした。
『…うっ!!』
あまりの風圧に脳が揺れる感じがした。吹き飛ばされたアルフィナは器用に空中で体制を整え、無事着地する。
それにバルフレアは安堵のため息をつく。
「お前はなにがしたいんだよ」
『ガルーダにこの実を使おうと思って…』
失敗と重なってバルフレアに言われた小言にシュンとなる。手にはイクシロの実。それを見たバルフレアはコツっとアルフィナの額を小突いた。
「勇気と無茶は別物だ。俺達が倒すから、お前は援護を頼む」
『─で、でもっ…』
「バルフレア!」
自分も何かしたい、と訴えようとしたが残念ながらそれはフランによってかき消された。つい自分も足を踏み出そうとしだが、ふと思いとどまる。
援護を頼む──。
その言葉の裏には危ないから下がっていろ、という事も含まれているのが私でもはっきりとわかる。
…このまま大人しく下がってる…?
…そんなの…、
…そんな事…、
『──いいわけあるかっ』