ACT.09
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「すこし甘いんじゃないかしら?彼女に」
「……。…うるせ」
ふいっ、と顔をそらすバルフレア。図星を突かれた顔を見られたくなくての行為にフランは肩を震わせた。
それから少しして魔物退治に行っていたヴァン達が戻って来た。
アルフィナが一度目を覚ました事を伝えると、ヴァンとパンネロに笑顔が戻る。アーシェも張りつめていた顔を緩ませた。
そして日が完全に暮れ、一行はバッシュを見張りに眠りに就いた。明日に着く王墓に期待を寄せて…。
夜。
みんなが眠りについた頃、1人起き上がった人がいた。
『…さむっ』
アルフィナだ。
昼過ぎからずっと寝ていたのだ。夜中に目覚めても仕方ない。
隣には寄り添うように眠るパンネロと、さらにその隣にはヴァンが大きな口を開けて寝ていた。昔ダウンタウンでよく見た光景だ。
あの頃はいつも一緒に寝てたっけ。…でもいつの間にか私は家に帰らなくなり、いつしかダウンタウンの路上で過ごすようになっていた。
泥と埃にまみれ、刀片手に血と土に汚れたあの頃。
いま思うと…自分はたくさんの人に迷惑と心配をかけてたんだな、と思い知った。心の中で、ごめんね、とパンネロとヴァンに呟いた。
そのまま再び眠りにつこうかと思ったが、冷えた身体に眠気は起きず、そこから抜け出した。
少し焚き火に当たってこようと思いながら。
─ジャリ…
「─!」
砂を踏みしめる音にバッシュは振り返った。
『あ…あの…、』
「アルフィナか…」
一瞬気を引き締めたが、アルフィナだと分かるとすぐに緊張を解いた。
遠慮がちにこちらへ来るアルフィナにバッシュは「どうした?」、と聞く。
『少し冷えちゃって…、隣…いいですか?』
「あぁ、」
そう言ったバッシュにアルフィナは笑顔になり、焚き火の前にいるバッシュの隣にストンと腰を下ろした。
「身体はもう平気か?」
『はい。ごめんなさい、急いでいるのに…』
迷惑かけて…、と落ち込んだ様子のアルフィナにバッシュは苦笑いした。
「気にすることはない。殿下もずいぶん心配しておられたのだ、」
『そう、ですか。』
どことなく会話がぎこちない。話したい事がたくさんあったはずなのに、いざ対面すると言葉が浮かんでこなかった。
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