ACT.09
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『………。』
─起きなさい…
(…だぁれ?)
耳を優しく撫でるような声。
─もう起きる時間よ…
(優しい声…。暖かくて…泣きたくなる…、)
もう懐かしい…
あなたの声。
『─…あなただぁれ?』
「バルフレア、だ」
・・・・、
──…!?
『い…、いーーやーーーっ!!』
─バチコーーーン!!
「いって!」、というバルフレア?の声が朧気に聞こえた。
私は思わず飛び起きてバルフレアと思しき人物に向かって可愛らしく(聞こえた音は可愛らしくなかったが)(…)ビンタを炸裂させた。
あまりの大音量の悲鳴とバチコーン!という音に野生の鳥が驚いて飛び去るほどに。
『信じらんない!ありえない!乙女の寝顔をのぞくなー!』
「お前が悪いんだろっ。不気味な寝言を言うから!」
『最…っ低!寝言聞いてる時点で最低!しかも不気味とか言うなー!』
「聞こえてきたんだからしょうがないだろっ!…ていうかやめろっ」
今にも殴りそうな拳を避けながらの言い争い。ビンタの次はパンチか。
しかしアルフィナは…、
『問答無用ーーー!!』
「うわっ、危ねえ!」
「なにをやっているの、あなた達…」
──!?
ピキーン…と身体が凍ったように固まった。大音量の言い争いに割って聞こえたのはフランの呆れた声。
『フラン!』
弓を片手にやってきた彼女。
「アルフィナ、身体はもう大丈夫?」
『え?…あ、』
言われてようやく気づいた。私は毒に当てられたらことに。
心なしか、アルフィナの顔が赤いことにフランは気づく。
「まだ熱があるわ。もう少し休んでいなさい…」
と、フランは横になるように促した。私はそれに逆らうことなく、横になった。
『フランみんなは?』
「周囲の魔物退治に行ってるわ」
『退治?…って、もしかしてここ…!!』
もしかしなくてもここはさっき戦闘があった場所からさほど離れてない所だ。
…という事は、今は夕刻だがあれから進んでいない、という事になる。
「心配しなくてもいいわ。明日には王墓につくから」
『っでも!』
「いいから休め。まだ熱があるんだ」
ぐっ、と額を押さえられる。ついでに目も隠れて見えなくなった。
だが何故か、それが非常に落ち着いた。暖かいバルフレアの手のひら。知らぬ内に溜まった疲労とかさなり、目蓋が重くなって、アルフィナはすぐ眠りに落ちた。
『すー…、…』
「……。」
眠りに落ちたアルフィナの枕元で見守るバルフレア。フランは見えないように口元を緩ませた。
「意外ね」
「何がだ?」
「最速の空賊バルフレアともあろう者が、こんな子の面倒を買って出るから…。守っていたこと、絶対鼻にきせるかと思っていたわ。でも…」
バルフレアは何も言わなかった。休まず守っていたことを。ナルビナの時でもそうだった。絶対何か企んで恩をきせるかと思った。
…でも実際は違った。
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