ACT.09
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てこでも動こうとしないアーシェにバッシュは折れ、そのまま手当てに取りかかった。
「バルフレア、アルフィナを押さえておいてくれ。矢を抜く」
「よし、アルフィナ聞こえるか?矢を抜くぞ」
顔を覗き込むように話しかければ、アルフィナは虚ろな目で弱々しく頷いた。ギリギリ意識がある、といった所か。
アルフィナの呼吸がどんどん弱りつつある事に何故か焦っている自分をおかしく思うバルフレア。たかが毒。的確な治療が出来れば命に関わる事はないはずだ。
自分にそう言い聞かせて、アルフィナの肩をぐっと押さえた。
バッシュはアルフィナが舌を噛まないようにと口に布を含ませ…、そして、矢に手を伸ばす。
バルフレアは安心させようとアルフィナの頭を優しく撫でた。
『──!ぐ…うぅ!!』
激痛が全身を襲う。毒と重なって、意識が吹っ飛びそうだ。
「くっ…!」
矢を抜くバッシュ。アルフィナの悲鳴に耳を塞ぎたくなる。
すんなりと抜けてくれない矢は確実に彼女を追い詰めていた。
『うぐ…!!─んん!!!』
痛みに涙を流すアルフィナ。口に含んだ布を引きちぎる程、強く噛み締めた。
「いかん!!布を噛みちぎった!!」
ビリビリに噛みちぎった布に、新しい布を探すがすぐには出てこない。
アーシェは自分がハンカチを持っていたことを思い出し、すぐ差し出そうしたがそれより先にバルフレアがとんでもない行動に出た。
──がぶっ!!!
「─っ!!」
叫び開いた口に手を当てたのだ。それをアルフィナが容赦なく噛みつく。あまりの痛みに眉を歪めるバルフレアについフランも声を上げる。
「バルフレアっ」
「っ!!フラン解毒だ、急げっ」
すかさずフランが解毒の魔法を掛ける。
ようやく抜けた矢を放り投げたバッシュはさらに傷口の少し上をキツく縛った。
『~~~っ!!』
「…っ、…もう大丈夫だ。」
はぁ、と無事治療を終え、バッシュ達は安堵に息をついた。
「アルフィナ…もう大丈夫だ。少し休め」
流れた涙を指ですくってやるバルフレアは優しい声色で言った。それにアルフィナは落ちるように意識を手放したのだった。
近くに運良く日陰を見つけた一行はとりあえず休憩を取ることに。
「俺が運ぼう」
バルフレアがアルフィナを横に抱きかかえ運んだ。
そばに戻ってきたヴァンとパンネロが心配そうにアルフィナを見つめた。まだ少し辛そうな表情が2人の目に映った。
アルフィナの事も考えまだ昼過ぎだったがバッシュの提案にアーシェも反対することなく今日は進むこと中止し、野宿の支度に入った。
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