ACT.09
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『…、…将軍?』
急に黙り込んでしまったウォースラに恐る恐る声を掛ける。
そのウォースラの頭の中ではアルフィナの言葉が繰り返されていた。
“懸命な人の言葉は聞こえる──”
自分も昔はそうだったな…。…否、そうでありたかった。
昔の自分と、今の自分の違いにウォースラは1人自嘲したのだった。突然笑う彼にアルフィナは首を傾げた。
「こんな時代…お前のような存在が人々に希望を与えているのだろうな…」
『へ…?』
小さい声につい聞き返したが、「なんでもない」と言われ、後ろ髪引かれながらもアルフィナは眠りに就いたのだった。
そのすぐ後に見回りに行っていたバッシュがわざとらしくウォースラのいる所へ戻ってきたとか…。
──…、
『ふぁ~…、…』
「ほらアル、起きてっ」
『む~…、』
眠さにぼやける思考をパンネロに叩き起こされた。眠い…。
夜が明けて、朝。
再び眠りに落ちそうなアルフィナと必死に戦うパンネロは彼女の寝癖でボサボサの髪を整えてやる。カクンカクンと揺れるアルフィナの頭にパンネロは悪戦苦闘だ。
「も~…アルってば!」
そんな2人の様子を呆れて見ていたアーシェがため息をつくと、側にやってくる。そしてアルフィナの目の前にしゃがんだ。
「寝坊助は相変わらずね…。」
「アーシェ?」
ふ…、と小さく笑みを零す。するとアーシェは何を思ったのか、アルフィナの鼻をムギュ、とつまんだ。
『ぶ…』
口は小さく開いていたが、鼻で呼吸をしていたアルフィナは息を詰まらせた。
「いい加減起きなさいアル、置いてくわよ」
『─!』
パチッと瞼が開いた。目と鼻の先にはアーシェ。数回瞬きをして、ようやく気づいた。
『あぁ!』
置いてかれる!と、アルフィナは思わず立ち上がる。
「起きた!アーシェすごい!」
興奮するパンネロにアーシェはやれやれ、と立ち上がり出発の支度をしに行ってしまった。
『………。』
アルフィナはそんなアーシェをジッ…と見つめていた。
…今…、アルって呼んでくれた…?
「ほら、アル座って?髪整えるから」
『あ、うん。ありがとう』
空いた溝が少し埋まった気がした。その後、アルフィナは始終ニコニコしていたとか。(ヴァンに不気味と言われた)(…)
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