ACT.09
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『はぁ…』
本日何度目かのため息。あぁ幸せが逃げていきそうだ。
あの後、あの胸焦がす雰囲気に耐えられなくてバルフレアを押し返し、半ば逃げるかのようにその場を去ってしまった私。
明日からどう接しよう…、マズい…、非常に気まずいぞ…。
『はぁ…』
「人の前でため息をつく奴があるか」
『!?、あっ…』
声がして顔を上げると、目の前にはジト…と軽く睨んでくるアズラス将軍がいた。
焚き火に薪を焚べている所だった。
「どうした、疲れたか」
『そう、ですね。…少し。バッシュ小父様は?』
「見回りだ」
火を焚きながら答えたウォースラに「そうですか」、と返す。
「もう休め、明日も早いぞ」
『はい』
頷いて、麻布を頭からすっぽり被ってアルフィナは寝る体制に入ろうとする。
すると、
「アルフィナ、」
『はい?』
何故かウォースラに呼び止められる。寝ろって言ったじゃん…と思いつつ身体の向きをウォースラにかえる。
「1つ、聞きたい事がある」
『はい、』
焚き火を見つめるウォースラの横顔をアルフィナは眺めた。
ふいにその視線がこちらを向く。
「…何故バッシュを信じる気になった」
『─!、』
直球に聞かれた質問。
まさかそんな事を聞かれるとは思わなかった。
「バッシュとはナルビナで会ったそうだな。その時にはすでに信用していたのか?」
『いえ、私は…』
いつからだ?そう聞かれると、はっきりと「信じよう」、と思ったのはいつだったけ。
確か最初は疑いというか、信じられない…という気持ちがあった…気がする。
『確かにナルビナで会った時は疑いというか…、そもそも生きていた事に驚いて信じられない気持ちでした』
「では…何故?」
『私、バカだからしょうがないんです…』
「……。」
『裏とか、全然読めなくて…いつもそのまんまで…。バッシュ小父様の言葉を、例え嘘だろうと真実だろうと信じたかもしれません』
まったく不便な性格である。真っ正面に言葉を受け止めてしまうか。
ただ私の場合、頭で考えるのではなく、直接心で感じる。
そう言った方が分かりやすいかもしれない。
『私には将軍のように人を見る目も、神様とやらの声を聞く能力(チカラ)もありません──ただ…』
そんなに長くは生きていない。そんな不思議な能力も持ち合わせていない。
私はただの“人”であり、それ以上でもそれ以下でもない。
だが…ただの人であるが故にわかることがある。
『ただ私にも“懸命な人の言葉”を聞く事は出来ます。』
「─…!」
それだけです。と付け足す。まさかの理由にウォースラは驚いた顔を見せる。
心の叫びを聞ける人でありたい。─あの時、バッシュは必死に叫んでいた。声にしていたわけではないが。アルフィナには聞こえたつもりでいた。
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