ACT.09
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出来上がった具だくさんのスープをみんなで輪になって食べた。多少揉め事はあったが…。(バルフレアが毒入ってないか、と言ったり)
ダウンタウンの孤児達に人気のスープは一行も大絶賛だった。アルフィナはもっと上手くなろうと思うのだった。
夕食を終え、見張りをバッシュとウォースラに任せる中、アルフィナは約束通りフランから魔法を教わっていた。
「まずはあなたの魔力の量を確認するわ」
『なにをすればいい?』
生き生きした顔のアルフィナにフランは透明の小さなクリスタルを差し出した。
『?』
「握ってみて」
言われた通り、アルフィナはクリスタルを軽く握った。
これだけでその人のミストポイントが分かるのだろうか。半信半疑に握ったクリスタルをフランに見せる。
すると、フランはその滅多に変えない表情を驚いたものに変えた。
『フ…フラン?』
「………。」
クリスタルを見つめたまま動かなくなるフラン。その様子を離れて見ていたバルフレアが「…フラン?」と声を掛けた。
それに答えるようにフランはクリスタルを差し出しバルフレアにも見せる。
「──!!、それ…、お前が…!?」
『う、うん』
あまりの驚きようにアルフィナは若干引いた。
なんかまずいのだろうか…。もしかして、「それ以上魔法を使えばあなたは死ぬわ」…とか言われたりして…。
超ネガティブ思考に突入したアルフィナを余所に、フランはとんでもないこと(アルフィナにとっては)を口にした。
「アルフィナ…、あなたずいぶんと魔力を持て余しているわね」
『………。』
??
どーいうこと?
頭の天辺では?マークのオンパレード。
フランが差し出したクリスタルは色の濃淡でミストポイントの量が分かっちゃう優れものらしく、色が薄ければミストポイントは少なく、色が濃ければミストポイントは…
『ハンパない量…ってこと?』
「えぇ、そうなるわ。」
フランは瞼を閉じて静かに頷いた。
参考までにフランが握ればクリスタルは黒に近い色を見せ、バルフレアが握れば薄いグレーの色に変わるんだとか。
そして問題のアルフィナのクリスタルの色は…
『うわっ…、真っ黒』
フランといい勝負の色だ。だが、同時に疑問も湧く。
「ちょっと待てよ…。なら何故魔法が使えない?」
もっともだ。ミストポイントは腐るほど(腐らないけど。)あるのに魔法が使えないのは矛盾もいいところだ。
「どうした?」
見回りに行ってきたバッシュが首をかしげるアルフィナ達の異変を感じ戻ってきた。
それにバルフレアは「どうもこうも…」、と肩をすくめて見せる。
「この子、魔法は使えないけれど、ミストポイントはかなりあるみたいなの」
「─!、それは本当か?」
『んー…、みたいです』
よくわからないけど…、と自信なさそうに小さく付け足す。
「戦闘に長けているのは父親似からだと思っていたが…、…そうか。母親の血も色濃く受け継いでいたようだな」
バッシュは楽しげに1人納得したように笑う。アルフィナは首を傾げた。
『それって…』
「ちょっと待て。その魔力が異様に高いのはアルフィナの母親が関係しているのか?」
珍しくバルフレアがバッシュの言葉に食いついた。
「あぁ。アルフィナの母親─名をアクアと言うんだが、王族お抱えの魔導師だった。その腕は国の魔法障壁を任される程にな。」
「そういうことね、」
謎が解けたわ、とフランは再びいつもの落ち着きを取り戻した。側ではバルフレアが長い息をついく。
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