ACT.09
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「たいしたヤツだな、」
とウォースラ。
それにバッシュも頷く。
「あぁ。流石だな。助かった」
荒い呼吸をするアルフィナに向かって礼を言えば、「はぃ…」としんどそうな返事が返ってくる。
「アルかっこよかったよ!」
『そ、そう?』
やたらと興奮気味なパンネロ。隣ではヴァンが「俺が…」などブツブツ独り言をぼやきながら、悔しそうな顔をしていた。
「先を急ぎましょう」
アーシェがそう切り出し、再び一行は砂海を超えるため、タンクの渡り橋を歩き始めた。時折休憩を挟みながら砂海を渡る。バルフレアが言うにはレイスウォール王墓へは最低でも4日は掛かるとか。
…本当に先が思いやられる。
歩き続け、昼過ぎ。日差しが一番キツい時間帯の中で何度目かの休憩を取る一行。アルフィナは渇ききった喉へ水を流し込んだ。張り付いていた喉に流れる水はとても心地よく、つい深い息をつく。
各々に休憩を取る一行の中でアルフィナはバルフレアと話し合うフランの元へ駆け寄った。
ある事をお願いするために。
『ねぇフラン。ちょっといいかな?』
その声にフランだけでなくバルフレアも顔を上げた。
「何かしら。」
『あのさ、おりいってお願いがあるんだけど…』
「私に?」
アルフィナは頷き返す。
『魔法をね、教えてほしいの』
「!──魔法を…あなたが?」
『うん』
微かに驚いた顔を見せたフラン。そこへバルフレアが口を挟んだ。
「なんでまた急に…」
『いろいろ考えたんだけど白魔法だけでも出来るようになりたいな、って。リヴァイアサンでの時、ケガを自分で治せなかった事が悔しくて…』
思い出すのは戦艦リヴァイアサンでの事。自分のケガを自分で治せなかった事が無性に悔しくて、情けなくて。
今はみんながいるから、いざケガをしても治してくれるが、もしリヴァイアサンの時ように1人で行動するような事がまたあったら…。そう思うと初級魔法だけでもいいから身に付けておきたい、と近頃そう思っていたのだ。
「おっいい心掛けだな、フラン」
「えぇ。私でいいなら、かまわないわ」
快く…かは分かりにくいがフランは首を縦に振り、了承してくれた。いっきにアルフィナの顔がぱっと輝いた。
『ありがとうフラン!私頑張って覚えるから!』
げんきんなヤツだ、とバルフレアは隠れて笑う。フランもこれにはつい口元が緩んだ。
休憩を終え、再び歩いた。
歩き続け、太陽がオレンジ色に変わりかけた頃、ウォースラが今日はここまでにしよう、と野宿の支度をし始める。
まだ進める、とアーシェは反論したがバッシュにも慣れない旅に無理はいけない、と説得され渋々頷いたアーシェに休むよう岩陰に促した。
自分も休みたいと思ったアルフィナだったが、アーシェ以外のみんなはきびきびと野宿の準備をしているため、とても言い出せなかった。
あー、と心の中でうなだれながら、夕食の支度をする。
「アル何作ってるの?」
パンネロが覗き込むようにやってきて、アルフィナの手元を覗いた。
『スープ作ってるの』
「ホント!?ヴァン![#dn=3]がスープ作るって!」
実は少し料理が出来るアルフィナ。彼女の作るスープはダウンタウンの子供達には大人気で、もちろんそれはヴァンやパンネロも例外ではない。
その作る本人をよそにテンションが上がり始めた2人に手伝え、と呆れながら一喝した。
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