ACT.09
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「アーシェ殿下は?」
そう言ったウォースラにバッシュは「向こうにおられる」と視線で場所を指すとウォースラはアーシェの元へと行ってしまった。
『──…、…!』
「どうした?」
突然#アルフィナが弾かれたように砂海を見つめた。バッシュは問うがアルフィナは難しい顔をするだけ。
遥か砂海の向こう。
小さな砂埃が立っているのが見える。
時同じく、フランも異変を感じ取った。
『…何か来る…、』
「ここを離れたほうがいいわ。」
フランはバルフレアに言った。
「砂嵐でも近づいてるのか?」
「もっと悪いものよ」
確かにあれは悪いものだ。
舞い上がる砂埃の正体。それは砂海に巣くう魚のような魔物、エンサ。そしてそれに跨る“悪いもの”─ウルタン・エンサ族─。亜人種だ。砂海の海を滑るように進む彼らはとても凶暴な人種だとか。
「すぐに出るぞ。ここらはウルタン・エンサ族の縄張りらしい。話の分かる相手じゃない」
『急がないと。追い込まれる』
「ちっ、面倒な連中に見つかったな。追い込まれる前に抜け出す、いいな」
バルフレアの言葉に駆け出す一同。しかし、タンクの渡り橋から降りた途端、一足遅かったかウルタン・エンサ族に追いつかれてしまった。
ウルタン・エンサ族はそれほど大きな体格ではなく、アルフィナの腰あたりといった身長しかないものの、その性格はとても好戦的であり、出会い頭いきなり剣やら弓やらをアルフィナ達に向けてきて一行を苦戦させた。
バッシュやウォースラもウルタン・エンサ族とはろくな思い出がない、とぼやくほどだ。
『やぁあ!!』
ザン!と一体のエンサ族を両断する。しかし倒してもキリがなく現れる彼らに旅の先を思いやられた。
『はぁ…はぁ…』
加えてこの炎天下。これは流石に体力に自身のあるアルフィナでもキツかった。じわじわと汗が流れ、顔を伝う。
アーシェを守りながら戦うバッシュとウォースラ。同じくパンネロを庇いながら戦うヴァンに、それらを援護するバルフレアとフラン。
その戦闘の様子を見る。
倒せない相手ではないが、数が多ければ話は別物。みんなとても苦しそうだ。
アルフィナは1人、ギリ…と奥歯を噛み締める。
すると、食料や水などが入った荷物を地面に捨て置き、アルフィナは近くにあった廃墟のタンクを駆け上った。そのタンクは周りのものより小さめだったが、戦闘領域を見渡すにはちょうどいい高さだった。
『はぁ…』
猛る心を落ち着かせ、長めに息をつく。そして、キリッと気を引き締めた。ダガーをくるくる回し、握り直す。高らかに口笛を吹くと、ウルタン・エンサ族は一斉に口笛がした方向を振り返る。
するとアルフィナは一気にタンクから駆け下りた。
『──ぁぁあっ!!!』
勇ましい掛け声に次々とウルタン・エンサ族を切り捨てていくアルフィナ。タンクに登ったのはエンサ族の数と位置を確かめる為。口笛はほんの数秒彼らから気を引きつける行為。
『はぁああ!!』
その声を最後に残りの2体のエンサ族を斬りつけると、付いた血を振り払いダガーを腰の鞘にしまった。それを合図にウォースラとバッシュは同時にふっ、と笑みを見せる。
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