ACT.09
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「ねぇヴァン、あの2人ってなんだか…」
少し離れた位置からアルフィナとバッシュのやり取りを見ていたパンネロが思ったことを口にした。
「親子、みたいだね」
「んー…、まぁ確かに。」
バッシュに言いくるめられているアルフィナの姿は、まるで絵に描いたような父娘の図のようだったとか。
「バッシュは何かとアルの面倒見てるしな」
「そうなの?」
「うん。なんでもアルの親がバッシュと戦友なんだって」
それにパンネロはへぇ~、と返す。
「大事な物、なのだろう?それは」
『──…!、…はい』
バッシュには全てお見通しのようだ。このディフェンダーは父・スコールの私物から勝手に持ち出s…拝借した物だ。
生前、スコールはこの剣で戦っていた。バッシュはそのことをもちろん知っている。
「しばらくは私が預かっていよう。かまわんな?」
『うー…、…はい。』
ついに折れたアルフィナ。渋々背中のディフェンダーを差し出す。
ディフェンダーを受け取るとバッシュは荷物にくくりつけ、背負う。
アルフィナは渡されたダガーの感触に慣れようと、器用にくるくると回していた。
エンサ砂海は建てられているタンクに設けられた通路を渡り進む。
赤茶けた色の巨大なタンクがいくつも軒を並べていた。
「地底の油を汲む施設らしい。放棄されて久しいようだが」
立ち止まって周りを見回すヴァンにバッシュが答える。
「ダルマスカが建てたのか?」
振り返ってヴァンは訪ねる。
「いや、ロザリア帝国だ。」
『東のアルケイディア帝国に並ぶ西の大国…ですね』
アルフィナは視線をタンクからバッシュに移す。
「そうだ。アルケイディアと覇権を争う西の大国・ロザリア。ふたつの帝国の狭間で多くの国が滅んだ。ナブラディア、ダルマスカ、───ランディス」
そう呟いたバッシュの声は、心なしか沈んでいるようだった。
「小さな国はな、大国の顔色を窺うしかないんだ」
アルフィナ達の背後からいるはずのない人物の声がした。
驚き、振り返るとそこには、
「ウォースラ!何故ここが、」
ビュエルバのターミナルで別れた筈のアズラス将軍がいた。
「驚いたぞ。ビュエルバに戻ってみれば、アーシェ殿下もアルフィナもお前も消えていたんだからな。───まさかお前が空賊の手を借りるとはな、」
「バルフレアは信ずるに足る男だ。何よりアーシェ殿下の意志だった。ならば俺は支えるだけた。──あのお方が全てを失った時、俺は何の役にも立てなかった。今度こそ、どこまでも支えると誓った。」
その信念の強さは眩しい程に。
バッシュの言葉に目を細めるウォースラは人知れず小さく呟いた。
「それも騎士道のひとつか…」
…と。
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