ACT.09
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西ダルマスカ砂漠をさらに西へ進む。
そこには、うねりを上げる薄金色の砂の海があった。
“エンサ砂海”
水のかわりに砂が煌めき、波打つ景色はまるで海のよう。
「あれが砂海……」
1人呟き波打ち際まで寄るヴァン。
アルフィナとパンネロは小さな丘から砂海を眺めていた。
『見事に砂ばかり、ね。』
「はは、アルなぁに?その感想は」
淡白な感想にパンネロはくすっ、笑う。
『だってホントに砂しかないじゃない?』
「他に言うことあるでしょう?」
顔を覗き込むように問うてくるパンネロに私は「なーい。」と言いぷい、と顔を反らした。
そんな2人にバッシュが側にやってくる。
「レイスウォール王墓ってどの辺りなんですか?」
とパンネロ。
「西の果てだな。このオグル・エンサを横断し、さらに西のナム・エンサも越えてやっと辿り着く。ダルマスカの国土より広大な砂漠だ。無理をして先を急ぐと、かえって危ない。疲れたら遠慮なく言いなさい。」
『はい。』
「平気ですよ。私、意外と逞しいんです」
『“私達”ね』
「そうそう」
「……あぁ、そうだな。君達は本当に強い」
軽い調子で答えた2人だったが、それにバッシュは真剣な表情で返してきた。バッシュが言った“強い”の意味はきっと肉体的だけでなく、精神的な意味も含めてのことだろう。
ちょっと嬉しくなってアルフィナとパンネロは顔を合わせて笑った。
西ダルマスカ砂漠とオグル・エンサ砂海の境界線のこの場所で運良く、一行は商人に出くわした。商人は西ダルマスカ砂漠で砂嵐に遭い、この地で休息を取っていたんだとか。
バルフレアの提案により食料や外套(マント)、多めに回復アイテムを購入することに。
「アルフィナ、」
『はい?』
バッシュはアルフィナを手招きして呼んだ。駆け寄ったアルフィナにバッシュは2本の対なるダガーを差し出した。
『?、これは?』
「前から思っていたのだが、君の体格にそのディフェンダーは負担が大きい。今回は長旅になるんだ、余計な体力消耗は避けた方がいいだろう。」
そう言いバッシュが差し出したれたダガーを、つい受け取る。
つまりこれで戦えと。
…ん?、待てよ
『こ、これは売りませんからね!絶対に!』
つい、がっちりとディフェンダーを手で押さえる。それにバッシュは苦笑い。
「誰も売れとは言ってないだろう。だが君はまだ子供だ。ディフェンダーは大人でも扱うのが難しい。どうしても使うと言うのなら、せめて二十歳を越えてからにした方がいい。」
『うっ…、』
なんだか言いくるめられた気がしてならない。いや、小父様が言うんだから間違ってはないんだろうけど…。
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