ACT.08
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豪華な食事にそわそわするヴァンとそれを宥めるパンネロの姿を見ながらアルフィナは食事を済ませた。本当ならそこに自分も混ざってハシャいでただろうが、礼儀作法というものを教え込まれた身、はしたないことは出来ないし、なによりそんな気分でもない。
食事も入浴も済ませ、さぁ寝ようと思った所でアルフィナは危うくアーシェの“お願い”とやらを忘れかけた。
急いでアーシェがいる部屋に向かう。がその途中で誰かと鉢合わせた。
『あ…!』
「!─来てっ」
アーシェだ。こそこそと人目を気にして廊下を歩いていたのだ。
鉢合わせ、アルフィナだとわかるとアーシェは手を掴み歩き出す。
『え、ど…どこに行くんですか!?』
「いいから黙ってついてきて」
有無を言わさず、ひたすら歩くアーシェの向かった先はビュエルバのターミナルだった。
いったいどこへっ?と思った矢先、アルフィナはだんだん嫌な予感を感じた。それはアーシェの向かった先がバルフレアの飛空艇─シュトラール─だったからだ。
『……。』
…私は開いた口が塞がらなかった。
『えぇ!?で、殿下!?』
「もう一つの王家の証を取りに行くわ。一緒に来て」
『行くって、…これで!?』
“これ”と思いっきりシュトラールを指差した。
しかしアーシェはお構い無しにシュトラールのタラップを登っていく。流石にダメだろうと思いつつアルフィナも恐る恐る中へ入った。
操縦席に座り、機器をいじるアーシェにアルフィナは始終ハラハラしっぱなしだった。飛空艇の操縦なんて王族であるアーシェが知っているはずがない。
私さえ知らないんだから!
と、その時──
「何やってんだよ。」
聞こえた声に後ろを振り返る。
『ヴァン!どうしてここに、』
「屋敷で2人が出てくのが見えたから」
ヴァンだった。
しかしアーシェは止めた手を再び動かす。
「これバルフレアのフネだぜ」
「《暁の断片》を取りに行くの。もう一つの王家の証を。在処は知っているわ──飛空艇は後で返す」
「なんだよそれ!」
『無茶ですってっ』
アーシェの身勝手な言い分にヴァンは声を荒げた。
ヴァンとアルフィナは反対したがアーシェは手を止めない。
「無茶でもなんでも!私はやらなきゃいけないのよ!死んでいった者達のためにも!なのに隠れていろなんて、──1人で戦う覚悟はあるわ」
『──‐…。』
その言葉にアルフィナはひゅっと喉から声が漏れた。
身体が氷のように硬直してしまう。
“1人で戦う──”
…アーシェ…──。
「ひとりって──アルとバッシュは!?だいたい他人のフネを勝手にっ──王女のくせになんだよお前!」
「お前はやめて!」
ヴァンに負けじとアーシェは立ち上がり怒鳴り返す。
「それぐらいになさい、殿下」
――!?
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