ACT.08
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『警報がまた鳴り始めてしまう。私達も行こう』
ラーサーとウォースラが走って行った方向を後ろ髪が引かれるように見つめていたアルフィナが切り出した。
駆け出す彼女にみんなも続く。
駆けながらアルフィナはラーサーの言葉を思い出していた。
“兄があなたを探しています──”
(ヴェインが私を探してる──?)
眉間にシワ寄せた顔は誰にも見られてはいなかったが、その悩まし気な背中をバッシュが心配そうに見ていた。
走りつづけ、アルフィナの記憶の地図を頼りに左翼発着ポートを目指す。
辿り着いた先、扉を開けるとそこにはジャッジ・ギースがいた。
さらには、入ってきた扉を他のジャッジや帝国兵に閉められ、背後を囲まれてしまう。
「残念ですな。ダルマスカの安定のために協力していただけると信じておりましたが、──まぁ王家の証はこちらにある。」
ギースが鎧を鳴らせ、こちらに近づいてくる。
「よく似た偽物を仕立て上げればいいでしょう。」
アルフィナは知らないが、ヴァンが王宮で盗んだ“女神の魔石”はバッシュ曰わく、王家の証らしくアーシェが王族である正当性を示すものなんだとか。
それが今、奪われ、ギースの手にある。
「あなたには王女の資格も価値もない!」
そう言い放つギースの右手に魔力が集まり、赤い光が溢れ出した。
放たれた赤い光は動けずにいるアルフィナ達の頭上へ落とされた、…かと思われたが光はまるで何かに吸収されるように消えてなくなり、パンネロの手のひらにあったラーサーから貰った人造破魔石が淡く光を放っていた。
「何なの─!?」
手のひらで光る人造破魔石にパンネロも焦る。
「破魔石か──、」
ポツリとバルフレアが呟く。
『吸収、したの─?』
「あぁ。破魔石は魔力を吸い取る」
忘れたか?と茶化すバルフレアだったが、こうもあからさまに魔力を吸い取るとは想像してなかったアルフィナにはなにも返せなかった。
アーシェは1人果敢にギースの前に立ちはだかる。ギースはそれを鼻で笑った。
「ご立派ですな殿下!名誉ある降伏を拒むとはまったくダルマスカらしい」
「貴様に何がわかる!!」
アーシェは激しくギースを睨みつけた。
.