ACT.07
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ウォースラをラーサーは真っ直ぐ見つめ返した。
「アーシェ殿下。あなたは存在してはならないはずの人です。あなたやローゼンバーグ将軍が死んだ事にされていたのは、何かが歪んでいる証拠です。
今後あなた方が行動すればもっと大きな歪みが見えてくるように思えます。だから行ってください。そして隠れた歪みを明らかにして下さい。その歪みを正して僕は帝国を守ります。」
凛とした表情で胸の内を語るラーサー。
「わかりました──」
ラーサーの雰囲気に気圧されたアーシェはそれだけ返した。
「どうもな、“ラモン”」
ヴァンがわざと偽名でラーサーを呼んだ。本人も思わず苦笑い。
「あの時はすいません」
バツが悪そうな顔をするラーサーは、ふとパンネロに向き直る。
「パンネロさん、これを。お守り代わりに」
ラーサーは人造破魔石をパンネロに差し出した。
戸惑いながら受け取るパンネロ。その2人のやり取りに、少し面白くなさそうな顔をするヴァンを横目にアルフィナが笑いをこらえる。
「行きましょう」
ラーサーはウォースラを促し、走り出す。バッシュと視線を交わし、頷くとウォースラは脱出艇を確保しに行った。
「あ!アルフィナさん、」
『?』
走り出したかと思えば、何かを思い出したようにラーサーはアルフィナに振り返った。
「兄があなたを探しています。どうか気をつけて」
『─!?ヴェインが…?何故…』
思い当たる事などあるわけもなく。捜される理由が皆目見当もつかない。それはラーサーも同様。
「それはわかりません。兄はヴェスパニア家の後継ぎを捜しているようで。それがアルフィナさんとはまだ知りませんが…」
“まだ”という事は、いずれバレる、という事だ。
ヴェインがアルフィナを捜している…。一体何故…
その訳を知るのはもう少し、後の話…──。
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