ACT.07
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第一栄倉エリアを出ると、赤いランプが光り警報が鳴り続けていた。これは相当マズい。
すると、バッシュがアーシェを守るように前に立つ。
その様子をアルフィナは通路の先で見ていた。
「殿下、我々が血路を開きます」
その言葉にアーシェは拒絶しようとしたが、
「私は裏切り者の助けなど───」
「今はなんとしても必要です。自分がそう判断しました」
ウォースラにそう言われ、アーシェは渋々と頷くしかなかった。
そんなアーシェをアルフィナは遠くから心配気に見つめる。
結局、声を掛け損ねてしまった。私だよって、アルフィナだよって言えば貴女は気づいてくれるだろうか。
『アーシェ…』
誰にも聞こえない小さな声でアルフィナは昔の様に王女の名を紡いだのだった。
その様子をバルフレアが見ていた事すら気づかずに。
「引き返すぞ。艦載艇を奪って脱出する。格納庫エリアは分かるか?」
ウォースラがアルフィナに聞いてきた。その言葉の裏には“信用する”と含まれているようで。目を見開くアルフィナはすぐさま力強く頷いた。
「こっち!」と先頭を駆けるアルフィナにみんなはついていく。それにアーシェも躊躇しながらも続いた。
その後ろ姿をバッシュとウォースラは見つめた。
「信じたのかウォースラ」
「…平気で嘘をつく味方よりはマシだと思っただけだ」
少し悔しいのか、遠回しな言い方にバッシュはくっ、と笑うのだった。そして、きっ、と気を引き締める。
「殿下は無力な自分を許せんお方だ。だが、現実を受け入れてもらうしかない」
と、ウォースラ。
「あぁ。だが彼女が…アルフィナが殿下の側に戻ってきてくれた。必ず殿下を支えてくれるだろう。まだまだ若輩だが、国を想う気持ちは我々と同じくらいに強い。」
まだまだ頼りない所もあるが、いざという時に心強い彼女。
何より、隣にいる同期の気迫にすら怯まず立ち向かった度胸のある娘だ。
幼い頃に会って以来、数年ぶりの再会となるバッシュだが、強い志と信念は昔と変わりなく感じた。
きっと“スコールの娘”という肩書きなど、ものともしないほどに成長するだろう。
ウォースラは少しでも疑った己に恥を感じ始めたのだった。
通路をひたすら走る。さっきとは比べものにならないくらいに帝国兵が襲いかかってくる。
ウォースラとバッシュが後ろを固めていたため、アルフィナが先陣を切って戦った。
『─はぁあ!!』
ザンッ!!
数人の帝国兵をあっという間に斬りつける。
1人ずつ相手にしていたヴァンが後ろで「おぉー」と感心の声を上げていた。
「なぁアル、これなんだ?」
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