ACT.01
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「トマジから聞いたよ。あんまり心配させんでくれよ。」
ちょっと反省気味に二人はコクンと頷く。
その後すぐ、ミゲロさんは食材が届いたと言うことで、慌ただしくその場を去ってしまった。
残されたヴァン、パンネロ、■■。特にする事もなく、しかも、もうすぐ執政官のパレード&演説とやらが始まるらしいので、覗きに行くことに決めた。
『じゃ、私はあっちだから。』
と、■■が指差す方向は仲間達が居るだろう場所。あくまでもヴァン達とは行かないようだ。
「なんでだよ、一緒に見に行こうぜ。」
「そうだよ。■■、あんまりお店に顔出してくれないし…。久しぶりに会ったのに。」
明らかに落胆の色を隠せない二人。少なからず罪悪感が生まれる。
まるで悪い事をしたかのような気分だ。
気づかれないようため息をこぼし、後頭をポリポリ掻く。
『ごめんって。後でちゃんと顔出すからさ。そんな顔しないでよ…。』
離す気がなかった二人(特にパンネロ)の顔がパッと明るくなった。単純だ…。
「んじゃぁな!絶対来いよっ。」
「お店で待ってるからね!ちゃんと顔出してよ!ミゲロさんも喜ぶから!」
…あ、でもミゲロさん今日お店に居ないんだっけ?と、なんとも抜けたセリフが、背を向けた■■の耳に届き、思わず肩を揺らて笑う彼女だった。
(相変わらずの二人。)
──…、
行われたパレードは決して華やかものでは無く。執政官に寄せられる視線も歓喜ものではなく。…それは憎しみと恨みの籠もった視線だった。
執政官─ヴェイン・ソリドール。アルケイディア帝国現皇帝の三男。次期皇帝と呼ばれる男が演説を始めた。
一言一言話す度にダルマスカの民達が不満の声を上げる。
その様を■■と仲間達は遠くの物陰から覗くようにして眺めていた。
『ふざけたヤローだ。何が“平和への祈り”だ。』
「でも大したヤツだよ。たったあれだけでみんなの心を静めちゃったもん。」
■■のヴェインの第一印象は“ふざけたヤロー”だった。
平和だの、なんだの言っておきながら、あの腹の底ではとんでもない事を考えているに違いない。
そして掌握術、とでもいうのか。
『戦慣れしてらっしゃるようで…。あれは危険だ、関わらない方が身の為だな。』
さらに、自分達のヴェインへの態度。ちょっかいなどせず、暫くは大人しく引きこもっていたほうが今後の為であろう。
…そう判断した■■。それに賛成する者、しない者がいる中、ようやく封鎖が解除されたらしいダウンタウンへと再び戻る彼女達だった。