ACT.07
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「そうだ。」
信用出来ない。
そう言い切るウォースラ。2人は互いの心中を探るかのように視線を交えた。
『上の階の…』
「─!」
ふとアルフィナが口を開く。
『上の階の通路で連行されるアーシェ殿下を見ました。あそこは第一栄倉と直結の通路です。』
「……。」
『艦の構図はさっきラーサーの執務室で見ました。おそらく殿下は第一栄倉エリアにいます。上の階へ戻るより、この先の通路を真っ直ぐ進んだ方が一番早く辿り着けます。』
信用して、とは言わない。誰も信じない。なら誠意を見せるのが、頭の硬い将軍に信じてもらうのに一番早いことをアルフィナは知っていた。
想像していた返答と違うのかウォースラは眉を歪ませ渋い顔をする。
アルフィナの記憶力はウォースラを除く全員が身を持って体験済みだ。それは信頼に値する。
「アルフィナの記憶力は折り紙付きだ。なんなら俺が保証するぜ?」
と半ばからかう様にバルフレアは言った。バッシュもそれに頷く。
「時間がないんだウォースラ。彼女を信じるしかない」
「……。いいだろう」
『…!─それじゃぁ…っ』
「だが!怪しいと微塵でも感じたその時は、容赦はせんぞ」
『……。』
スゴい気迫だ。
子供なら泣いてしまいそうな威圧感にアルフィナも若干驚きながら、小さく首を縦に振ったのだった。
「行こう。案内を頼む」
『はい!』
──…、
「殿下、ご無事で―――」
「ウォースラ!──」
アルフィナの案内により、第一栄倉に閉じ込められていたアーシェ殿下と無事合流できた。
真っ先に駆け寄るウォースラ。彼の姿に安堵したのか、フラついたアーシェをウォースラは支える。
「ありがとう。大丈夫です、私──」
と、そこで言葉が途切れた。アーシェの視界にバッシュが映ったからだ。強ばらせた表情を見せ、顔を反らすアーシェ。
とにかく、ケガもないようで。一安心、アルフィナは一息ついた。
その時、後ろを振り返ったウォースラと目が合った。何か言いたそうな顔をしている。…が、ここで言うのも野暮な事。
先程向けられた突き刺さるような視線とは違い、気を引き締めた視線を向けてくるウォースラにアルフィナは小さな頷いてみせたのだった。
「ぐずぐずするなよ。時間がないんだぞ。パンネロが待ってるんだ。アル行こう!」
『うんっ』
「さっさとしてくれ、敵が来る。感動の再会は後にしてくれるか、」
ヴァンとバルフレアがウォースラ達を急かした。
早くしなければ、直にここにも帝国兵がやって来る。
ウォースラとバッシュは顔を見合わせ、頷くと、先に行ったヴァン達の後を追ったのだった。
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