ACT.07
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その頃、侵入者もといヴァン一行は…
「初めて頭を下げた。…いいか。ダルマスカが落ちて2年、俺は1人で殿下を隠し通してきた。敵か味方か分からん奴を今まで信じられんかったのだ」
帝国兵の鎧に身を包み、ヴァン達の前に現れたのは、ラバナスタで会ったウォースラ・ヨーク・アズラス将軍だった。
ビュエルバのオンドール侯爵の手を借り、単身リヴァイアサンに乗り込んで来たのだ。こちらの将軍も大した度胸の持ち主のようで。
「助け出す。手を貸してくれ」
「あぁ」
バッシュは力強く頷いたのだった。
「時にバッシュ、お前スコールの娘とは一緒ではなかったのか」
ふと、ウォースラはそんな事を聞いてきた。
「名前くらい覚えてやれ。この艦のどこかに居るだろう。彼女も探さねばならん」
名前を呼ぼうとしないぶっきらぼうなウォースラにバッシュはため息が出る。と、同時にアルフィナの身を案じる事も忘れない。
「スコールの娘が信用出来るのであればな、」
呟き、ウォースラは1人先頭を駆け出したのだった。
素直じゃないのはどうやら昔から変わっていないらしい。
少し戻ってアルフィナは…、
《IDカードを挿入して下さい》
・・・、
『ぁ…IDカードだとぉお!?しかもパスワードと二重ロック!』
ピシャーンと雷が落ちた。
IDカードはなんとか出来たとしても、パスワードは例えこの世が終わろうとも絶対にムリ!!!(大袈裟)
く、くそう…と端末機の前でうろうろ。
この日ほど自分がアナログ人間であることを呪った事はない。
己の無能さに打ちひしがれていると、「貴様っ、そこで何をしている!!」と、またしても帝国兵に見つかってしまった。しかも今度は尋常じゃない人数。
『ヤバ、見つかった!!』
すぐさま走り出すが、なんと後ろだけでなく、前からも左右からも帝国兵が来るではないか。
またしても取り囲まれてしまうアルフィナ。さすがにこれは抜け出せない。体力温存など言ってられないようだ。
逃げるのを止め、アルフィナは再び構えた。
1人が剣を高く振り上げる。
アルフィナは瞬時に剣先を手のひらで、はねのけ、反対の手で剣の持ち手に手刀を当て、剣を手放させた。
そして、
『やぁあ!!』
「ぐっ!!」
顎を力強く殴り1人倒す。
不良になって肉弾戦に明け暮れていた2年間もあながち無駄ではなかったかもしれないとふと思った。次々に襲ってくる帝国兵を素手で倒していく。
一歩下がってアルフィナは右足を蹴るように振り回した。すると靴底から小さな飛刀が勢いよく出てきて、数人の帝国兵の関節や足、首などに突き刺さった。
『たぁあ!!』
「ぐぁっ!!」
腕を掴んで投げ飛ばしたアルフィナの背後に敵が1人。剣を振り上げガン!!と叩きつけたが、そこにはアルフィナはいなくて。すると頭に重みが。
『はぁぁあ……─』
「…!!」
アルフィナが器用に腕一本で帝国兵の頭の上で逆立ちをしてした。そして、その足を折り曲げ、
『ぁぁあっ!!!』
一気に帝国兵の兜越しの顔面に膝蹴りを食らわす。
凹んだ兜がその威力を見せつける。
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