ACT.06
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「アァ?エサはもう必要ないからな。途中で離してやったら泣きながら飛んで逃げってったぜ!」
『なんだと!?お前!人質の面倒くらい、最後まで見やがれっ!!』
「っんだと!?」
つい昔の口調に戻ってしまう程にアルフィナも怒りを覚えた。
するとタイミングを見計らったラモンが隙を見て人造破魔石をバッカモナンに投げつけた。それは見事顔面に当たり、よろけるバッカモナン。
その隙をアルフィナは見逃さなかった。
『はぁあー…、!!』
「─!!?ぐ、ぐふ…っ!!」
アルフィナの華麗な肘打ちがバッカモナンの鳩尾に入る。
そして、捕らえる腕が緩んだ隙に抜け出し、足元に転がる破魔石を拾うと、偶然駆け出したラモンを手を引き、連れてその場を走り去ったのだった。
「アル待てよ!」
アルフィナを追うようにヴァン達も駆け出した。その時、バッシュの視界の隅でキラリと光るものが移る。
「あれは…─」
「バッシュ早く!!!」
「くそ…っ、逃がすかぁ!!!」
苦しそうに声を上げて、武器を振りながらバッカモナン達も走り出した。
──…、
『はぁ…、はぁ…、』
魔石鉱の鉄橋を通過中のアルフィナとラモン。
その後ろにはすでにヴァン達やバッカモナン達の姿は見えない。
魔物も何もかも無視して走り抜ける。
身長差により若干足幅が小さいラモンはアルフィナに手を引かれ、必死に走った。
『ラモンっ、頑張って!』
「は、はい!」
道は覚えている。
この鉄橋を渡り、左へ曲がればすぐ入り口に着くはずだ。
アルフィナは走るスピードを少し落とし、呼吸整えた。
「ありがとうございますアルフィナさん。でもどうして僕を助けてくれたのですか?」
『ん?別に。バルフレアに詰め寄られて、なんか困ってるみたいだったし。それに私、君の正体に別に興味ないし。』
息が上がったまま、火照った顔で笑う。ラモンはもう一度お礼を言うのだった。
「それにしてもアルフィナさんは随分足が速いんですね!驚きました」
『そう?これでも鍛えてるからね。ラモンも身長が伸びればそうなるよ』
アルフィナに弟という存在はいなかったが、もしいたらラモンのような存在なのだろうか、とひそかに思い、拾った破魔石を返す。アルフィナは、ラモンはまだ子供だもんね、と言いポンポンっと頭を撫でるのだった。
走りつづけ、ようやく魔石鉱の出口が見えると眩しい太陽の光が差し込んできた。ここまで来ればとりあえず安心だ。アルフィナとラモンは歩行に切り替え出口をくぐったのだった。
すると、出口のすぐ前で数人、誰かが待っているのが見えた。
「あれは…」
『まさか帝国兵…?』
だけじゃない。
あと1人、黒鉄の鎧と全く釣り合わない少女がいた。
『──…!…、まさか…』
向こうもこちらに気づいたのか、両手で口元を押さえ、目を開かせている。
「──■■…!!」
…パンネロ…──。
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