ACT.06
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ふと、歩みを止めてこちらを向く。
アルフィナも視線を合わせるように、顔を上げた。
「一つだけ聞きたい」
『はい』
少し緊張しているのがわかる。
「アーシェ殿下は君を信用している。君が昔、王宮を去った後も…、そしてきっと今も」
『……。』
アーシェ殿下…。
言わずもがな、ダルマスカ王家第一王女《アーシェ・バナルガン・ダルマスカ》。唯一の正式な王位継承者だった…。─…がそれも昔の話だ。
アーシェ殿下は終戦後、名誉ある自刃を遂げた…と、世間でそう言われている。
「王宮を去った訳は問わん。だが、もし君の騎士の心が、まだ殿下を守りたいと思う気持ちがあるのなら…私に協力してほしい」
『!、それはどういう…』
バッシュの言い方はまるでアーシェ殿下がまだ生きている、と言っているように聞こえた。…気のせい、ではない。
「君らが会ったアマリアという女性…、彼女がアーシェ殿下だ。」
『──‐…!!』
─アーシェは生きている…。
また一つアルフィナの心に希望の光が差し込んだ。
何も言わない代わりにアルフィナはバッシュに強く頷いてみせたのだった。
──…、
「これを見たかったんです!」
魔石鉱の奥深く。採掘の途中か、舗装されていない剥き出しの岩の空洞に辿り着いた一行。
真っ先に走り出すラモンの姿に年相応なものが見えた。
見たかった、と言ったそれは、青白く淡く光る魔石だったようだ。
360度、見渡す限りの魔石の量。ふんわり光るそれはまるで星空の中にいるようだった。
『綺麗…、まるで星空みたいだね。もしかして光ってるの、これ全部魔石ですか?』
ヴァンと一緒に眺めていたアルフィナは、後ろにいたバッシュに尋ねた。
「そうだ。ここはまだほんの一部だろう」
「すげぇところだな…」
と、ヴァンも開いた口が塞がらない様子。
そのすぐ側でラモンがなにやらポケットから取り出した。
『それはなに?』
「破魔石です。人造ですけどね」
「はませき?」
聞き慣れない単語にヴァンが聞き返す。ラモンがわかりやすく教えてくれた。
私は1人、一行から少し離れ、魔石鉱の先を見つめる。
まだ奥にいるのだろうか、パンネロは。ここに来るまでにすれ違うことはなかった。
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