ACT.01
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「おっ、いたいた!■■きっとアイツだ。」
と、半分はしゃいで砂丘を駆け下りて行くヴァンの後をめんどくさそうに■■は追った。
駆け出した先には何やら赤い生き物が。名前は知らないがトマトみたいなモンスターだった。…ホントにコイツか?と思いたくなった。
一足先に戦闘を始めたヴァン。あと一撃、の所でソイツは大きく飛び上がり■■の方へと向かって来るではないか。
しかし■■は慌てることなく、
『ふん…っ。─……はぁあ!!』
ドゴッ!と空中のモンスターに十八番の上段回し蹴りを食らわす。■■に向かって飛んできたモンスターはヴァンの方へと逆戻りに。ずざざっ、とヴァンの足元へ不時着すると、キュー…と息絶えたのだった。
「よし!いっちょ上がり。帰るか■■。」
『うん。私喉乾いた。』
「俺もっ。……あ、」
『ん?』
帰ろうと足を一歩踏み出した所で、ふとヴァンは足を止めた。視線は岩壁のふもと。そこには砂漠には珍しく一輪の赤い花が咲いていた。
『これは…、』
「ガルバナの花だ。珍しいな、こんな所に咲くなんて…」
それは赤い赤い花。
ダルマスカでもっとも有名な花だ。そして、ヴァンの亡き兄─レックス─が好きだった花…─。
『…摘んでく?』
「…うん。」
そっと花びらを散らさぬように摘み取るヴァン。
たった一人の兄・レックスの墓標に供える為に。
『………。』
こういう時の彼女は優しい。悲しんでいる人をさらに傷つけるような真似だけはしない。
それは、たんに彼女が仲間想いだからだけでなく、人並みに他人を思いやる心がある、という事で。
苛立った雰囲気の■■だったが、それは今はもうすでに消え失せていた。
* * *
あの後ラバナスタに帰ると、なんと門が完全に封鎖されてしまい街へ入れなくなってしまった。
しかも、ラバナスタの民は通してくれなかったくせに、式典用の装飾を施されたチョコボは門を潜ろうとしていたため、不満な声が上がり、一悶着起きそうだった所へ救世主とも言えるミゲロさんが駆けつけてくれたのだ。
巧みな話術であれよあれよの内に帝国兵をなだめ、さらには街に入れずじまいだった人達も中に入ることに成功させた。
あの話術は是非見習いたい所だ。
駆けつけたミゲロさんと一緒にパンネロも門へと来ていた。
「二人共大丈夫?心配したんだよ?」
「うん、悪い。」
「無事ならそれでいいの。」
安心したかのように微笑みパンネロと共に、門を潜る。
帝国兵と話を付けたミゲロさんもヴァンと■■の方へと駆けつける。