ACT.06
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魔石鉱に続く階段を下りる。
「足音がするわ。それも複数、こちらに向かってくる」
ヴィエラ族特有の長い耳が足音を感じ、フランは隠れるよう促す。
すると徐々に魔石鉱から、うっすらと人影が見えてきた。
1人は帝国兵だ。しかも下級兵じゃない。あの独特の鎧兜にマント。──ジャッジだ。
そしてもう1人は杖をついた、白髪の男性。
あとは、付き添うように獅子の頭をもつ種族の男(多分男)が2人。
「念の為に伺うが純度の高い魔石は本国ではなく─」
くぐもった声でジャッジは白髪の男性に尋ねた。
「──全て秘密裏にヴェイン様の元へ」
ジャッジの言葉を継いで言う白髪の男性。
「くっ、貴殿とは馬が合うようですな」
さしかかった階段を上りながら、ジャッジは機嫌良く笑った。
「それは結構ですが、手綱を付けられるつもりはございませんな」
極めて冷静に、しかもスッパリと言い切る白髪の男性。
それにジャッジは足を止め、振り返る。
「ならば鞭をお望みか。つまらぬ意地は貴殿だけでなくビュエルバをも滅ぼすことになる」
それは脅しのようだった。
白髪の男性は何も返すことなく、共を連れ階段を上がって行くのだった。
ジャッジ達が居なくなった所で、ようやくアルフィナ達は物影から出てきた。ふぅ、と一息。
「ビュエルバの侯爵、ハルム・オンドール4世。ダルマスカが降伏した時、中立の立場から戦後の調停をまとめた方です。帝国寄りって見られてますね。」
『へぇ~。あの人が…』
「反乱軍に協力してるって噂もあるがな」
納得するアルフィナ。試すようにバルフレアはラモンに言った。
それに対してラモンは、「あくまでも噂です」と、きっぱりと言い切ったのでバルフレアはますます眉間にシワを刻んだ。
「よく勉強してらっしゃる。どこのお坊ちゃんかな?」
そんなバルフレアの様子にヴァンが痺れを切らす。
「どうだっていいだろ!パンネロが待ってるんだぞ。アルフィナ、早く行こうぜ」
頷くアルフィナを連れてヴァンは歩き出す。
「パンネロさんって?」
ラモンが尋ねる。
『私達の友達。』
「さわれて、ここに捕まってる」
振り返ってヴァンは答える。暗い魔石鉱に一行は気を引き締め中へと続いたのだった。
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