ACT.05
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『私ビュエルバって初めて!どんな所だろうねヴァン』
「あのなぁ、遊びに行くんじゃないんだぞ。パンネロを助けに行くんだからな、俺達は」
『わ、わかってるって!だってダルマスカ出るの初めてだし…』
恥ずかしがったのかアルフィナはほんのり頬を染めた。
かくいうヴァンもさっきから何かと落ち着かないのは気のせいではなく、そわそわしている所をバルフレアにツッコまれていた。
「ビュエルバは中立国家だ。空中都市と呼ばれ、観光地にもなっている」
何も知らない彼女にバッシュがわかりやすく説明した。
アルフィナは顔を輝かせる。
『空中都市…!』
その言葉に遺跡が空を飛んでいる姿を思い浮かべる。
ビュエルバまでは1時間程度はかかる、といったバルフレア。それまで適当に過ごしてろ。そうバルフレアは言い、シュトラールの操舵を自動操縦に切り替えた。
「その格好、なんとかしましょう」
席を立ち上がってフランがアルフィナを見て言った。
「一体なにがあったんだ?」
バルフレアも呆れ、指摘する。
私は恥ずかしくなり、照れくさそうに笑った。
「アル、ヤンキーやめたんだ。その…落とし前?」
『そうそう。制裁だって』
案の定バルフレアは「こえー」と言って少し引いていた。
フランがタオル一枚と軽い治療道具を持ってきてくれた。
曰く、
魔法も必要ないくらいだわ
…だそうで。
タオルでドロを拭き取ってくれたフラン。
前の席のヴァンがバルフレアに「歯なくなったんだってよ!」と喋っていた。言うな。「まじかよ。」とバルフレアは呆れてた。
『い、いてて…っ』
「我慢なさい」
まるで母親と子だ。
アルフィナは右頬に大きな湿布を貼られた。ひんやり気持ちいい。
が、なかなかこれが情けない姿に。頬全体を覆い隠すほどの大きな湿布に私はため息を零した。
他は、消毒して塗り薬を塗っておしまい。
…し、染みた。ちなみに塗り薬はフラン特製だそうだ。よく効くぞ、とバルフレアが自慢気に言う。
それから誰も喋らなくなり、エンジン音だけが響く中で、ヴァンと##NAME2##はようやく落ち着きを取り戻した。
シュトラールの揺れが妙に心地よい…。
再び睡魔に襲われるアルフィナは必死に戦った。
…ね、…眠い…
ガクンと頭が揺れる。そんなアルフィナに気づいたバッシュはフッ、と笑みをこぼした。
「あ!今海が見えた!アル見てみろよ!……、……?」
青い海が見えた事にヴァンは、はしゃぎついアルフィナに話しかけたが肝心のアルフィナから返事が来ない…。
あれ…?と思い、後ろを振り返った。
「………。」
『………ぐー…。』
え、マジ…?みたいな顔になるヴァン。
まさか…、と思っていたらまさにそうだった。
「くすっ、…本当によく寝るお嬢様ね」
「…にしては寝過ぎじゃないか?」
滅多に表情を見せないフランが笑い、バルフレアは呆れた顔をしていた。
呆然とするヴァンに代わり、バッシュが動いた。
「座ったままの体制ではキツいだろう。バルフレア、どこか横になれるスペースは無いか」
このままでは起きた時つらいだろう、と言うバッシュにバルフレアは背を向けたまま、親指でくいっ、と後ろの通路を指した。
「通路の端に仮眠用のスペースがある。そこにでも転がしてろ」
目をそちらに向けると、通路の端、床に寝具を敷き詰めた、そんなに広くないスペースだが横になるには十分な広さだろう。借りるぞ、と一言いい、バッシュは今にも座席からずり落ちそうなアルフィナを抱えた。
そして、起こしてしまわないようゆっくりと運ぶ。
枕元に掛け布があったのでそっと掛けてやった。
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