ACT.05
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「なぁ、俺思ったんだけどさ…」
『ん?』
ふと、立ち止まったヴァンにバッシュとアルフィナは振り返る。
「■■の事、なんて呼べばいいんだ?」
『…あ、』
そうだった。バッシュはともかく、ヴァンは出会った時から“■■”と呼び続けていたのだ。今更、呼び方を変えるのは難しいだろう。
『ん~…、出来れば“■■”じゃなくて“アルフィナ”って呼んでほしいんだけど…』
頭をポリポリかく。困った時の彼女の癖だ。
「だったらアルでいいよな!」
『へ?』
「アルフィナだからアル。これなら短いしすぐ覚えるよ」
笑って両手を頭の後ろに回してるヴァンに呆気にとられた。
まったく困った様子も怒ってる様子もない。
『…お…、怒らない、の?』
「なにが?」
『名前…。騙してた事とか』
「なんで?」
『……、…なんとなく』
段々声が小さくなっていく。そんな彼女の頭をヴァンはポンと叩いた。
「そんなこと気にすんなよ、“アル”らしくないぞ」
『──!』
「そうだな。君には元気が一番だ」
バッシュも微笑んで言う。“■■”改め“アル”は嬉しくなって、いつものように笑顔で返すのだった。
『うん…ありがとう。』
──…、
地下のダウンタウンから地上のラバナスタの街に出る。
「これで貸し借りなしだからな。」
「借り?」
ふと、ヴァンはバッシュにそう言った。
「ナルビナ。あんたが居なきゃ無理だった」
『……。』
遠回しに礼を言うヴァンにアルフィナとバッシュは顔を見合わせた。
そしてアルフィナはぷっ、と笑みをかみ殺した。…がヴァンには聞こえていたようで。
「なんだよっ」
『なんでもなーい』
先を行くヴァンの肩を追い越し際にポンと叩いてやる。
それを追いかけるヴァン。
短い付き合いの中で何度見たことか。2人がじゃれ合う姿をバッシュは微笑ましく眺めていた。…仲が良いんだな、と思いながら。
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