ACT.05
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「待ってくれ。」
ツカツカと速歩きで先を行くアルフィナにバッシュが追いつき腕を掴んで引き止める。
『―!小父様…、』
無理やり引き止めて振り返って彼女が、落ち着いた雰囲気に戻っていたのですこしほっとする。
「あのウォースラ相手に対した度胸だな。」
『あ…、いや…あそこまで言うつもりはなかったんです。けど、ついムキになって。』
冷静さを取り戻した後だからこそ気まずさが込み上げてきたらしい。
『彼の立場もわかるから…、』
バッシュとは共に行動することが出来ない、と判断を下したことは間違いではない。今ならそう理解出来る。解放軍は彼1人だけではないのだ。帝国に対し反感を抱く大勢の人が属している。アズラス将軍はそのトップとも言える。そんな彼がいまだ不信感を抱かれているバッシュと共に動けば彼は信頼をなくし、解放軍は団結力を失いやがて崩壊するだろう。
『きつく言い過ぎてしまったなぁ、って。反省してます。』
「あれくらいのこと、気にするような男ではないさ。」
ウォースラのことをよく知るバッシュだからこそ言えるセリフだ。それがわかってか少し落ち込んでいた彼女の気分が落ち着くのがわかった。
2人の後を追うように解放軍のアジトを出て来たヴァンと3人でダウンタウンの街道で歩いた。
「アマリアか…、あいつも解放軍だったんだな。」
「会ったんだな。」
バッシュが振り返った。
『ナルビナ送りになる前に、少しだけ』
「きっつい感じでさ」
「君達は私の道に幾度となくからむ。奇縁だな」
「迷惑だよ」
うっとうしそうにヴァンがすかさず言う。バッシュは苦笑いし「すまんな」、と繰り返した。
「迷惑ついでだ。最後に頼みたい。バルフレアに会わせてくれ。今要るのは足だ。」
「え、バルフレア?」
え、なんで?、といった感じにヴァンとアルフィナは首を傾げた。
確かにフランは「しばらくラバナスタにいる」、とは言ったがどこにいるかまでは聞いていない。
可能性が高いのは宿屋か情報が集まる砂海亭。後は、道具屋、武器・防具屋に魔法ショップ…くらいしか思いつかない。
となると…
『んー…、とりあえず砂海亭行ってみる?トマジならバルフレアの情報持ってるかもしれないし』
「そうだな、それが一番早そうだ」
砂海亭に行こう、という事でバッシュを連れて、ダウンタウンを出たのだった。
その道中…、
隣を歩くヴァンがじーっと私を見つめてくる。
『何、』
「ホントに■■?」
何かと思えば…
『私以外の何に見えるのよ』
「だよなー。」
と納得するヴァン。
「その髪は?金髪じゃなかったのかよ。」
『あれは自分で染めてた。時々色落ちして地毛が見えてたの、落ち着かなかったなぁ。』
「ふーん。」
バッシュも幼い時の彼女を知っているからか、今の姿に納得しているようだった。
「やはり染めていたのだな、髪は。だから最初、君に会った時気づかなかったんだな。」
『あ、はい。でも小父様に会ったのって随分昔で私もまだ子どもでしたし、気づかなくて当然じゃないです?』
それもそうだな、と笑うバッシュ。
きれいな金髪から、もとの栗色の髪に戻り優しい雰囲気を纏う。
確かに、綺麗になったとしみじみ思う。戦友に今の彼女を見せてやりたいとどこか親心のような心境だ。
性格はどこまでも父親に似ているが、容姿は母親に似たのだろう。彼の妻もとても美しい人だった。当時は密かに人気があった人だったのだ。
「それにしても、何故そんなにボロボロなんだ?」
バッシュが苦笑いし、アルフィナを頭のてっぺんから足のつま先まで見回す。何があったのか、脱獄してきた時よりさらにボロボロのような気がする。
「なんかあったのかよ。顔も腫れてるみたいだし…」
心配気に見るヴァンにアルフィナは笑って答えた。
『うん、あったあった!“グループ抜けたい”って言ったら殴るわ蹴るわのもう大騒ぎ!』
あまりの喧騒に近くの住人達が心配そうに見つめていたという。
『おかげで歯がなくなった』、と言うセリフに一瞬顔が青ざめるが本人まったく気にしていないのか、けらけらと笑うだけ。
「不良、やめたのか?」
経緯を知らないバッシュ。驚きながら聞くと「はい。」、とアルフィナは元気よく答えた。
脱獄の途中、ヴァンからアルフィナが不良娘だと聞かされ、何があったのか心配したが、足を洗ったというのならとりあえず一安心だ、と思わず安堵のため息をこぼすバッシュだった。
「その顔も仲間にやられたのかよ。」
『あ~…、違う違う。これは叔母様に。久しぶりに屋敷帰ったら運悪く鉢合わせちゃってさ、』
「この不良娘!!!」
『──…ってひっぱたかれた。』
あはは、と今度は苦笑い。
それよりもヴァンはアルフィナに叔母と呼ぶ存在がいたことに驚いた。
「じゃあ孤児じゃないじゃん」
『あのときは咄嗟にそう言っちゃったの。いろいろ複雑な家系なのよ。うちは。』
「ふーん」
いかにも納得がいかない、という顔をするヴァンにアルフィナは苦笑いが隠せない。
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