ACT.04
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──…、
『…これが父の最後の言葉です』
「………」
スコールがバッシュを慕っていたことはウォースラが誰よりも知っている。スコールが帝国の陰謀に嵌められていなければ、その証言はまず間違いないだろう。
…だが今一歩、信じる事に踏み出せずにいる。
もしスコールが帝国に手を貸していたら?偽りを娘に伝えていたら?
考えれば考える程、疑心が沸いてくる。しかし戦友の最後の言葉を無碍(ムゲ)にすることも出来ない。
「…いいだろう。スコールの言葉を信じよう」
『──!』
「だが!」
喜びの表情を見せたアルフィナだったが、ウォースラがそれを遮るように続けた。
「それが真実だとしても、今共に動くわけにはいかん。」
『どうしてっ、』
「迂闊に行動すれば、ヴェインの目に付くからだ。動かせる人員もいない」
数日前の騒動で多くの解放軍の仲間を失った。
今、また動けば格好の的だ。
「ならばどうする。俺を拘束するか」
バッシュが閉ざしていた口を開いた。
刺激するような発言にウォースラと視線がぶつかり合い、まるで火花が散っているようにも見えた。
そして、しばらくの沈黙の後、手にしていた騎士団の剣を投げてよこしたウォースラにバッシュは…、
「お前は変わらんなウォースラ。」
視線を交わし、昔と何にも変わらない戦友に少し笑みをこぼす。
「忘れるなバッシュ。ダルマスカ全土に解放軍の目が光っている。お前はカゴの鳥も同然だっ」
スコールの言葉は受け入れよう。だが、それがバッシュを信じる事には繋がらない。バッシュが陛下を暗殺していないとしても、騒動の後に姿を現したバッシュが帝国の手先ではないとは言い切れなく。
だから共に動くわけにはいかない、バッシュに解放軍の目が光っているように、また解放軍にもヴェインの目が光っているのだ。
それをわかってかバッシュは、
「かまわん。それならもう慣れた。」
そう言い残し、静かにこの場を去って行く。
同じく、ヴァン・アルフィナもバッシュを追いかけるようにアジトを去って行ったのだった。