ACT.04
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──…、
「ならばオンドール侯爵の発表はどうなる。侯爵も騙されていたというのか?」
「陛下を暗殺したのが将軍ではなく、ジャッジだというなら話は繋がる」
声が2つ。
気配はもっとあるが…。
1つは聞いたことのある声だ。どうやら無事、反乱軍と接触出来たようで。
もう1つは分からない。会話の相手と同じように威厳のある声だった。
「だとすれば将軍はジャッジの兄弟だぞ!そんな男、信用できるものか!」
難しい話が続いているようだ。ダラン爺に頼まれて、ここまで来たヴァンだったが、いざ入るとなると足が進まない。
「やっと俺の知っているバッシュになったな」
──!!
聞いた名前に反応する。
扉の向こうにバッシュがいることは確実のようだ。
「ならば共に戦えるか」
「本人の言葉だけでは信じられん」
「帝国に都合のよすぎるオンドールの発表よりマシだ」
話についていけない…。軽く“盗み聞き”状態ではあったが、入るタイミングも失ったのも事実。…どうしようか、悩むヴァン。
しかし次に聞こえた言葉がヴァンの心を突き動かした。
「レックスも嘘をついていたのか!?」
「─!!、兄さんが嘘なんかつくかよ!!」
腹が立って、タイミングだの、なんだの考えもせず、扉を荒ただしく開けた。突然の乱入に驚きの表情を見せる反乱軍メンバー。
その中で、冷静な人がただ1人。
「そうだ。レックスは目撃者に仕立て上げられたのだ。私が陛下を暗殺したと見せかける、帝国の陰謀だ」
少し笑った。歴史の裏側を語るバッシュは視線をヴァンに向けた。
「よくよく縁があるな」
また会おう、と数時間前に別れたはずなのに、またこうして顔を合わせている。不思議な縁としかいいようがない。
「レックスの弟か──」
バッシュと対話していた人物。それは彼と同じく、ダルマスカの騎士将軍“ウォースラ・ヨーク・アズラス”だった。
威厳ある声でダルマスカの反乱軍を率いている人物だ。
彼は、ヴァンの手にあるダラン爺から渡すよう頼まれた“騎士団の剣”を半ば奪う形で受け取った。
「こんな子供なら信じるかもしれんが、お前の話には何の証拠もない。共に動くわけにはいかん」
「アマリアは救うべき人ではないのか」
バッシュの問い掛けにウォースラはくっ、と表情を歪めた。バッシュの言うことにも一理ある。故に駄目だ、とはっきり言えないウォースラ。
「部下の命を預かる以上、最悪の可能性を考えるのが俺の務めだ。─あの夜のヴェイン襲撃も見抜かれ、泳がされていた…。オンドール同様お前も帝国の犬かもしれん」
躊躇なくウォースラは、かつての戦友に向けて言った。
しかし戦友だからこそバッシュにはウォースラの心中が痛いほどわかる。上に立つ者の苦労を、辛さを、頼りにしてくる者からのプレッシャーを。
決して1人で背負いきれるモノではない。
だからバッシュは信じてくれ、とは言わなかった。
そんな時──
『証拠なら、ここにあります──。』
「「「──!」」」
再び、乱入者が現れた…。