ACT.04
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「─だが彼女は…」
「知ってる。■■がどこかの貴族だってことは」
でもさっき初めて知った。
■■の父親の名が“スコール・ウィル・ヴェスパニア”で、バッシュと同じ将軍であった事。■■は何一つ話さなかったから。きっとパンネロも知らない事だ。
しかも“ヴェスパニア”といえば王家の“ダルマスカ”の次によく聞く名だ。
「言いたい事はわかってる。なんで屋敷じゃなくて、ダウンタウンなんかで暮らしてるのか、だろ?」
「あぁ、そうだな」
「まさか本当に“お嬢様”だったとはな」
冗談だったんだがな、とバルフレアは肩を竦めた。
「よくは分からないけど、■■は5年くらい前からダウンタウンによく顔を出してたんだ。住み始めたのは、今からちょうど2年前かな」
「2年前…」
ポツリとバッシュは繰り返した。…2年前といえば、ちょうどナルビナでの調印式のあった時期だろうか。
もしかしたら、その調印式が原因で■■は屋敷を家出してしまったのかもしれない。
…あくまで憶測に過ぎないが、バッシュはそんな事を考えていた。
「両親の事は何か言っていたか?」
「んー…、はっきりとは分からないけど。でも、前に自分も“孤児”だ、って」
「ではやはりスコールとアクアは…」
その名にヴァンが「誰?」と聞くと、「■■の両親の名前だ」、とバッシュは答える。
それ以前に気になる事がある。何故“■■”と名乗っているのか…。
彼女の名前は、
「“■■”ではないはずなのだが…」
いつしかヴァンとバッシュのみの会話になってしまっていた。
バルフレアとフランは先頭で、鮮やかにザコを蹴散らしていた。
「なにが?」と、ヴァン。
「彼女の名前だ。確か本当の名は…」
『む…』
「「 ! 」」
そこで会話は途切れてしまった。■■が目を覚ましたからだ。
■■は自分が寝てしまった事にすぐ気づくと、すぐさまバッシュから飛び降り、今にも土下座しそうな勢いで謝った。
その後、ラバナスタに着くまで今にも失神してしまいそうな程“真っ赤な”顔をして俯いていたのだった…。
穴があったら入りたいという言葉はこういう時に使うのだなと思った。
(彼女の本当の名前は…)
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